妖精さんの出番が少なくて残念な「人類は衰退しました 7巻」
「人類は衰退しました」の7巻を読みました。6巻読んだ惰性みたいなものです。この巻まで来ると「人類は衰退しました」の感想は、読んだ人向けに書いてます。
この巻から、イラスト担当の方が代わりました。私は、前のイラストのほうが童話感が強くて好きだったのですが、まあ大人の都合というやつでしょう。
妖精さんたちの、ちいさながっこう
ある日、クスノキの里に子供のために学校を求める声が出てきたので、学舎卒のわたしちゃんが先生をすることになりました。しかし、そのクスノキの里の学校に通う3人の子供は問題児だったのです。保護者もモンスターペアレントで対応に追われるわたしちゃんは、心身ともに限界に達し、悪い先生となることになりました。果たしてどうなる。
妖精さんたちといいながら、妖精さんがほとんど出てこないんですよね。それとも子供も一種の妖精ということですか。ちょっと、妖精度が物足りない感じでしたね。
オチも「人類は衰退しました」らしくない感じでした。不思議な現象が起きた時は、ほとんど妖精さんが何らかの原因となっているんですが、この話は妖精さんによる童話的事象というよりは超能力を得た子供の話でしたね。そのうえ、そのキモとなる超能力もいまいちよくわからない感じで終わってしまったので、モヤモヤしてます。
また、この話は、学校ということでモンスターペアレントの描写があるのですが、読んでいてムカつくくらいオーバーに描かれています。例えば
「おたくの教室では朝の挨拶を呼びかけているようだが、うちの子は挨拶をしないでも良い子だから、そういう強要はやめろ!」
こういった無理難題を押し付けてくる親が描かれているのですが、実際にここまで酷い親はいませんよね。いないとは思うのですが、事実は小説よりも奇なりといいますから、存在しそうで怖いです。
人類流の、さえたやりかた
荒野で目が覚ましたわたしちゃん。どうして荒野で寝ていたのか、それまで何をしていたのかがわからないわたしちゃんは、短期的な記憶喪失になってしまったようです。そして、体には壊れた枷が。少ない情報から、原因と記憶を探求していくわたしちゃん。果たしてどうなる。
オチから言いますと、叙述トリックでしたね。わたしちゃんと思っていたものが、まさかヒトモニュメント計画のモニュメントだったとは。いやーわかりませんでした。というかわかる要素がなかったのでは?
通信機からの応答が命令形だったのも、プログラミング言語だったからなんですね。
さて、2つの適当なあらすじから察してもらえるかと思いますが、この7巻はあまり好きではありません。なんて言うんでしょう。「人類は衰退しました」らしくないんです。私は、妖精さんをメインとした物語が読みたいんですけども、この巻は、妖精さんがサブポジでした。んー残念。
2つの話は、妖精さんを絡めづらいものを取り扱っているので仕方ないんですが、私の求めているものではありませんでした。それに、読んでいてワクワクしないんですよ。やはり妖精さんがよくわからないことをして、わたしちゃんが四苦八苦しながら解決していく話が読みたいです。
私は妖精さんの活躍を見て、心の癒やすために読んでいるんです。それぐらい察してくださいよ!(八つ当たり)
「人類は衰退しました 6巻」の感想と同人誌市場について思うこと
「人類は衰退しました」の6巻を読みました。
この記事の後半は、本の感想ではなく同人誌市場について触れてます。
妖精さんたち、すかいはい
鳥人間コンテストのパロディ的なやつ。
鳥人類コンテストをやることになったので、調停官であるわたしちゃんが安全対策係をやることになりました。しかし鳥人類コンテストに出場する各チームの機体は、安全面に不安があるどころか死人が出る可能性しかなかったので、持ち歩いていた妖精さん達を煽り、安全になる道具を作らせることで問題なく事を運ぶことに成功するのでした。
調停官って妖精さんと人間との間を取り持つお仕事なはずなんですが、完全にお菓子で妖精さんを従えています。まあ妖精さんも祭りが好きなようですからWin-Winな関係ということでしょうか。大事だよね、Win-Winって。
妖精さんたちの、さぶかる
サブカルということで同人誌の話。
文明が発達していた頃の機器、プリンターが見つかったのでわたしちゃんの親友Yがデータを調べていたところ、ボーイズラブが描かれた漫画のコピーデータが見つかりました。
そのデータから一冊の漫画本を作成し、各地にバラまいてみると女性に大人気となり、自分たちで好きな漫画を作成する文化が広まっていきました。その漫画を同類誌と名づけたYは、クスノキの里で同類誌イベントを開催すると、数千人を集めるほどでした。
その腐った女子のお祭り騒ぎは妖精さんにも広がっており、妖精さんが作った同類誌は読んだ人間がキャラクターとなる漫画だったのです。さてその同類誌の中に入ってしまったわたしちゃんとYと助手さんは無事に出られることができるのでしょうか。
さぶかるのあらすじが長くなってしまいました。まあそれくらい内容が濃い物語でしたね。
同人誌市場について
この話では、クスノキの里に数千人集めていましたが、現実でも同人誌で村おこしじゃありませんが地方にお金を集められないものですかね。
そこで、この話の元にもなっている同人誌の経済効果はどれほどあるのか調べてみました。
コミケ全体では、3日間で150億円以上の経済効果があるとされている。オタクブームどころか、もはや市民権を得た感もある。同人誌市場は、今後ますます拡大していきそうだ。
3日で150億円ですか。同人誌市場も潤ってきているんですね。こんなにお金が動くならば、地方で開催すれば地方活性化に繋がるんじゃないですか。お金や人がいなくて困っている県や市がありますし。
でも地方開催だと、人が集まらなさそうですね。調べたら失敗例が出てきそうです。やはり都市圏でないと交通の関係から難しいんでしょうか。それとも高校野球の甲子園と同じように、東京ビッグサイトでやるから人が集まるんでしょうか。あの場所が神格化されているんじゃないですか?八百万の神が存在する考えだからって何でも神扱いするでしょ。
あと扱う作品にもよるんでしょう。同人市場のことはよくわからないんですけど、人気の作品を扱わないと人が集まらないんでしょうね。同人イベントならなんでもいいやって開催すると、開催側が首を傾げる結果になるのが目に見えています。閑古鳥鳴いてそうです。
同人市場で地方活性化できるなら、既にやってそうですね。アニメで村おこしをやろうとしている市も多いですし、偉い人が考えた結果、やっても無駄という結論に至ったのでしょう。
永遠の名作と呼ばれたSF小説「夏への扉」
SFの名作ということで「夏への扉」を読みました。おすすめですよ。
![夏への扉 (ハヤカワ文庫SF) 夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41d3Qt-EnoL._SL160_.jpg)
- 作者: ロバート・A.ハインライン,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 文庫
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大雑把な内容紹介(少々のネタバレ有)
この本は、ロボット工業など科学が大きく発達した1970年の話。
主人公のダンは、恋人のベルと親友のマイルズに裏切られて、地位も財産も何もかも奪われてしまう。失望のあまり飼い猫のピートとともに冷凍睡眠で30年間の眠りにつこうとするが、やられっぱなしで終わるような男ではなかった。一矢報いてやろうと裏切った二人の元へ赴くが、返り討ちに会いピートは行方不明に、ダンはドラッグを打たれ、意識が混濁したまま冷凍睡眠に送り込まれてしまう。
2000年に意識を取り戻したダンは、冷凍睡眠の30年間に何があったのかを探っていくうちに未完成のタイムマシンの存在を知る。そのタイムマシンを利用して1970年に戻ったダンは、未来を変えることができるのか。
感想
こりゃSF小説の名作にもなりますわ。本の裏表紙に永遠の名作と書かれていた理由もよくわかります。上記の大雑把な内容紹介を読んでいただければわかると思いますが、内容はSFの王道です。野球でいうと、直球勝負の豪腕ピッチャーです。
SFの王道
未来から過去に戻って未来を変えてしまうのは、SFでは王道ですよね。でも、その王道をロマンチックに描かれているからこそ、今でも名作と言われているのだと思います。このロマンチックについて、きちんと感想とか書きたいんですけども、話の後半で上記のあらすじでも書いてないところなのでやめておきます。読んだ人のお楽しみということで。
あと名作と言われる理由として、SF小説を読んだことがない人でも受け入れやすいこともあるでしょう。タイムトラベルは、とても遠い存在なのに、マンガや映画によって身近なものだと感じさせますからね。やっぱり手塚治虫や藤子不二雄は偉大です。
ダンの魅力
主人公のダンなんですけど、あらすじには「恋人や親友に裏切られて~」と書きましたが、ちょっとお人好しなんですよ。 人柄がいいといいますか憎めないんですよね。つい感情移入しちゃう、そんなキャラです。でもお人好しでダメキャラというわけではなく、ロボット開発の技術者として優秀なんです。まあ優秀だからカモられたんですけど。でも良いんです、ネコ好きですから。
冷凍睡眠で思うこと
冷凍睡眠は、もしかしたら生きているうちに実現するかもしれない技術ということで、ふと思ったんですけどね。冷凍睡眠しても、知り合いも家族もいないなら、未来でも生きていくのが辛いだけだと思うんですよ。
例えば、不死の病にかかってしまったけど、やがて治療法が見つかるだろうから、それまで冷凍睡眠するなんて考えの人もいるかもしれませんが、治った後に幸せになれるかどうかわかりませんよ。
「知り合いいないし、治ったところで絶望は変わらんわ」なんて考えに陥るなら、冷凍睡眠しないで家族に囲まれていたほうが幸せだと思いますね。
私が言いたいのは、人間関係は大事だということです。もし冷凍睡眠を本気で考えているならば、人生の伴侶か猫と一緒に寝てください。
まとめ
冷凍睡眠に文句はつけましたが、話は面白いですしSFファンに愛されている理由もよくわかります。読んだことのない人は、一度読んでみてはいかがでしょう。
魔王の片鱗を垣間見た 「銭の戦争2 北浜の悪党たち」
「銭の戦争2 北浜の悪党たち」を読みました。この巻では、魔王の片鱗を垣間見ることが出来ました。
ざっくりした内容紹介
父親から勘当を言い渡された享介は、東京を出て京都の禅寺に養子に入り、“実王寺狂介"と名を変えた。修行を終えた後、商売の本場・大阪で、北浜銀行の創立に剛腕を発揮した岩下清周、野村證券の創業者・野村徳七ほか金融界で活躍する相場師たちと出会う。
Amazonから引用。序盤から中盤は、狂介が大阪に行って何をしたかという狂介の行動と、ロシアが伊藤博文を暗殺するまでを描いています。
伊藤博文の暗殺後の中盤以降は、狂介のライバルとなる相場師界の大策士・天一坊の出会いと今後二人の対決が予想させる相場の戦いがどうなっていくのかといった感じでしょうか。次回はいよいよ銭の戦争が始まります。
感想
まずは全体の感想ですが、この巻は狂介が相場をほとんど張りません。相場での活躍を期待していたのですが、それは次巻に持ち越しということになりそうです。ただ相場ではありませんでしたが、他の相場師との出会いから狂介の魔王の片鱗を見られました。膨大な知識や先見の明、頭のキレは他の相場師を圧倒しています。
下記には細かな感想も少々。
ラスプーチンの奇跡
ラスプーチンはベットに横たわる娘の枕元に進むと十字を切り、祈りの言葉を口にした。すると、見る見るうちに娘の顔に赤みがさしていく。
この文章を読んだときは、なんでリアリティが無くなるキャラを出すのかなと思っていました。ラスプーチンが神父だということは知っていましたが、これはやり過ぎだろうと。そう思ってWikipediaで調べてたのですが
血友病患者であったアレクセイ皇太子を治療して皇后の信頼を得た。 グリゴリー・ラスプーチン - Wikipedia
がっつり書いてありました。胡散臭いやつだなと1巻から思っていたのですが、逸話として残っていたんですね。けど本当なんですかねえ。何事も祈って治ればいいのですが。
狂介の決意
「大変ありがたいお話ですが、お断りします。私は死ぬまで一相場師でいたい。相場師であるために父を裏切り家族も捨てました。そういう生き方しか私には出来ません。どうぞご理解下さい」
これは、北浜銀行の創立に剛腕を発揮した岩下清周から、養子になって一緒に北浜銀行を大きくしていこうぜというお誘いを断るシーンなんですが、相場師として死ぬまで生きていく確固たる決意が感じられます。
私なら、二つ返事で引き受けますけどね。銀行の頭取から、「君は素晴らしい人材だね。ぜひ私と一緒に銀行を、いや日本を変えていかないか」なんて言われたら、もう「はい喜んで!」と居酒屋顔負けのハツラツとした返事をしてしまいます。
やはり器が違うんですね。芯のぶれない人間になりたい。
狂介の情報整理方法
「情報は量ではない。整理が鍵だ。それも情報を実際に使う人間の眼で整理がされていないと駄目だ」
いやー狂介さんのお言葉は為になりますなあ。私のPocketやはてブの状況を的確についてらっしゃる。
どうも私は情報を収集して満足してしまいがちなのですが、そのままだと必要な情報がすぐに見つけられないんですよね。タグ付けや必要のない情報をなくすなど、情報整理をやっていく必要がありますね。
ドタバタ神様コメディ「神様の御用人」
「神様の御用人」読みました。ぎんぎつねみたいな人型の神様が出るのかなと思っていたら、きつねが出てきました。
内容紹介
野球をあきらめ、おまけに就職先まで失った萩原良彦。彼がある日突然命じられたのは、神様の願いを聞く“御用人"の役目だった。人間味溢れる日本中の神様に振り回され東奔西走する、ハートウォーミング神様物語。
神様の御用人と言ったら、聞こえはいいですがただのお使いです。話の流れは簡単で、様々な神様のもとに行って願いを叶えてあげる感じです。ゲームのクエストみたいなものですよ。
コピペしたあらすじをもう少し詳しく掘り下げるとこうなります。
主人公の萩原良彦は、野球少年で小学校から大学までやっており、大学の推薦で社会人野球のチームを持つ会社に入ったのですが、経営難から野球部がなくなってしまいました。野球の名目を背負っての入部だった良彦は、居心地の悪さから会社を辞めてしまいます。
フリーターとなり実家に帰ってきた良彦でしたが、ひょんなことから御用人となってしまいました。始めに御用を聞いたのは、実家の近くにある神社でした。見た目は狐の神、人呼んで黄金。いろいろあって、御用人となった良彦と黄金は二人で神様の御用を聞きにいくことになりました。
ここまでが第一章。ちなみに表紙に描いてある男と狐が、この良彦と黄金です。
いろいろやひょんなことからと書いてある部分が重要なのですが……気になる人は呼んでみてください。全部書いていたら、作者さんに悪いですからね。いや、別に書くのが面倒くさいわけじゃないです。
続きを読む相場を戦う人間の物語「銭の戦争 魔王誕生」
「銭の戦争」を読もうと思ったきっかけは、魔王とか天才とかあらすじで書かれていたからです。天才ゆえ頭がおかしいキャラが読みたくて手を出しました。
ざっくりとした内容紹介
この本は、株式市場で戦い成功していく相場師と失敗していく相場師を描いた物語です。ただ、序盤は日露戦争前後の経済の動きといった時代背景を中心に描写しており、主人公が活躍する相場が中心になるのは中盤からとなります。序盤で飽きてしまうかもしれませんが、中盤に入ってからは主人公や相場が大きく動きますので、テンポよく最後まで読み進められるかと思います。
キャラクター
主人公の井深享介について触れることにします。この井深享介は相場師であり10代から相場師の頭角を現していきますが、魔王的な強運で勝っていくわけではなくて、天才ですから判断力やデータを元に勝っていきます。アカギみたいな感じです。だから強運で勝っていく主人公を求めているなら合いそうにないですね。まあ、そんな相場師を求めている人はあまり居ないかと思いますが。
ただ、主人公は強運で勝っていきませんが、作中に出てくる主人公の対照的なキャラとして鈴木久五郎が出てきます。この鈴木久五郎は、大博打を打って成金となった実在した人物です。こういう運で成り上がったキャラを見たい人は、このような登場人物もいるので読んでみてもいいのではないでしょうか。
感想
この作品は、株式をテーマにしていることだけあって、株の怖さを感じましたね。株は大金を一瞬で儲けることができますが、大金が一瞬でなくなることもあります。
相場というのは狂気に満ちてますね。お金は人をおかしくしますから、お金が関わるものもおかしくなりやすいのでしょうね。現在の株式市場も狂気に満ちていそうです。
最後に、読んだきっかけとも言える魔王的な主人公ですが、魔王度*1は低いのでちょっと残念です。ですが、これから冷酷な相場師の魔王として成長していくと思いますから、魔王誕生というサブタイトルはぴったりです。
1巻は人物紹介と時代説明の巻ですので、2巻からより面白くなっていくのではないでしょうか。主人公のライバルも出てくるようなので楽しみです。
追記
2巻読みました。
*1:圧倒的で絶対的な力、カリスマ性や魅力を総合した勝手な評価
「人類は衰退しました 5巻」 わたしちゃんの過去とゲーム回
「人類は衰退しました」の5巻を読みました。
内容は、わたしちゃんの過去編ということで学舎時代の話を扱った「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」と、ゲームのパロディがふんだんに使われていた「妖精さんたちの、いちにちいちじかん」となっております。この巻は、好みが分かれそうな感じがしますね。
妖精さんの、ひみつのおちゃかい
これは、上記したとおり学舎時代の話を扱ったものなのですが、途中までわたしちゃんがぼっちで過ごしていていて、その姿が可哀想だと感じるほど辛いドロドロとした内容となっていました。でも、個人的にはこの話は最初から最後まで好きです。
別にドロドロした人間模様や、わたしちゃんが虚勢を張るがゆえに孤独になっていくのが好きというわけではありませんよ。ただ、そういう状況であったからこそ悪友となるYとの友情を感じられますし、妖精さんがいない0Fだからこそドロドロしていたと考えれば、妖精さんの偉大さがよくわかるというものです。わたしちゃんの精神的な図太さの理由もこの話でわかった気がします。
妖精さんがわたしちゃんの中に入ってから、この話の最後にかけてはほんわかとした気持ちで読んでおりましたし、ラストも感動的でしたね。涙は出ませんでしたが、後味のいいものとなっておりましたので、しばらく余韻に浸っていたくらいです。
この話のアニメも良かったですね。最後の妖精さんの笑顔には、心が打たれました。
妖精さんたちの、いちにちいちじかん
祖父がティロティロというファミコン特有の効果音を出しながら、言葉を発しております。はいといいえのどちらかを選択する際、いいえを選ぶと話がループしてしまいます。荷物は押すだけで引くことはできません。この世界は、どこかおかしくなってしまったようです。
というわけで、タイトルからも分かる通り、ゲームの世界になってしまったクスノキの里をもとに戻すべく、わたしちゃんが奮闘するコメディ回となっております。前編の余韻返してといいたくなるほど、タッチが変わりました。
このゲーム回は、ゲームのパロディがふんだんに使われているため、このパロディ元がわかるかどうかで面白さが変わります。その上、パロディ元の作品がファミコンのソフトが多かったので、おっさんホイホイって感じでした。1UPするキノコとか幽霊が食べられるようになるとかね。パロディ元は、記事にしてくれている方がいらっしゃいますので、各自googleさんで検索してみてください。
この話は、ゲームの知識が全くない人にとっては辛い実験的な話でしたね。6巻以降も何かをパロったものが出てくるのでしょうか。1話まるまるパロるなら、私のわかる奴にしてくださいね。まあ、今更言っても完結してますから遅いんですけど。
「半島を出よ」の上巻を読んで
村上龍の半島を出よの上巻を読みました。とりあえず、この小説のあらすじをAmazonからコピペ。
北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。
〈財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟〉
というわけで北朝鮮が没落した日本に攻めてくるというお話。この小説内の背景を描写するために色々書いているのですが、エンターテイメント性を求めていた私にとっては長いなと思いながら読んでいました。
でも、こうなってしまうかもしれないけど君たちはどうする?という村上龍なりの私達への警告かもしれませんし、それを読んだ私も考えさせられるものもありましたから長いことにあまり文句はありません。
作品の中で、福岡ドーム占領の対処について大臣たちが話し合っているとき、決断して少数の犠牲で多くの人を助けるか、何もせずに多数の犠牲を出すかという選択に迫られている場面で、大臣らは後者を選んだのですが非常に日本人らしいなというのとともに、実際にもこういう決断を下すだろうなと思いました。私もそうですけど決断するの嫌いそうな人多そうですもん。
あと政治や経済については、人に講釈することができるほど詳しくありませんし、講釈してほしいと思っているくらいですので、何も書きません。それに事実は小説よりも奇なりという言葉がありますから、ありえないと思っていても数年後にはありえるかもしれませんからね。
今更ながら「人類は衰退しました」を1巻から4巻まで読んだ
今更ながら、人類は衰退しましたの1巻から4巻を読みました。少し前にアニメでやっていて面白かったというのと、最近9巻が出て無事に完結したのもあって、駿河屋でまとめ買いしました。安かったのが旧装版のほうでしたので、そちらのセットを購入。
アニメは新装版のキャラデザですので、受け入れられるかなと思いながら読み始めていたのですが、すぐに馴染みました。というか抵抗なし。むしろこちらのほうがいいのではないかと思ったり思わなかったり……まあ好みは人それぞれということで。
いくつかアニメ化していない話がありましたので、アニメの絵を自分の中で再放送するわけではなく済んだことは良かったです。
話がそれますが、漫画をアニメ化するときに、原作をそのまま再現とか言われても、ただ絵に声が付いただけなら見なくてもいいかなという気にさせてくれますから、アニメならではのものが欲しいです。小説なら絵が付くので、こういう情景だったのかと確認できることが楽しかったりするのですが、漫画からアニメになっても増えた情報が声だけという感じが強いので、よほど好きな原作でない限り、漫画読んだからアニメは見なくていいやという気になります。特に最近読んだものならば。ただアニメオリジナルを入れてくると叩かれる対象になりやすいから、原作通りで進めるのもわかりますけどね。
話を戻します。この人類は衰退しましたの魅力は、妖精さんの可愛い言い回しですね。実際にいたら会話して癒やされたいです。人類は衰退してもいいから現れねえかな。1fいたら何とかなりそうだし。
そういえば、妖精さんのフィギュアが売られてましたね。ちょっと欲しいなと思っていたり。飽きてなかったら買うかも。