相場を戦う人間の物語「銭の戦争 魔王誕生」
「銭の戦争」を読もうと思ったきっかけは、魔王とか天才とかあらすじで書かれていたからです。天才ゆえ頭がおかしいキャラが読みたくて手を出しました。
ざっくりとした内容紹介
この本は、株式市場で戦い成功していく相場師と失敗していく相場師を描いた物語です。ただ、序盤は日露戦争前後の経済の動きといった時代背景を中心に描写しており、主人公が活躍する相場が中心になるのは中盤からとなります。序盤で飽きてしまうかもしれませんが、中盤に入ってからは主人公や相場が大きく動きますので、テンポよく最後まで読み進められるかと思います。
キャラクター
主人公の井深享介について触れることにします。この井深享介は相場師であり10代から相場師の頭角を現していきますが、魔王的な強運で勝っていくわけではなくて、天才ですから判断力やデータを元に勝っていきます。アカギみたいな感じです。だから強運で勝っていく主人公を求めているなら合いそうにないですね。まあ、そんな相場師を求めている人はあまり居ないかと思いますが。
ただ、主人公は強運で勝っていきませんが、作中に出てくる主人公の対照的なキャラとして鈴木久五郎が出てきます。この鈴木久五郎は、大博打を打って成金となった実在した人物です。こういう運で成り上がったキャラを見たい人は、このような登場人物もいるので読んでみてもいいのではないでしょうか。
感想
この作品は、株式をテーマにしていることだけあって、株の怖さを感じましたね。株は大金を一瞬で儲けることができますが、大金が一瞬でなくなることもあります。
相場というのは狂気に満ちてますね。お金は人をおかしくしますから、お金が関わるものもおかしくなりやすいのでしょうね。現在の株式市場も狂気に満ちていそうです。
最後に、読んだきっかけとも言える魔王的な主人公ですが、魔王度*1は低いのでちょっと残念です。ですが、これから冷酷な相場師の魔王として成長していくと思いますから、魔王誕生というサブタイトルはぴったりです。
1巻は人物紹介と時代説明の巻ですので、2巻からより面白くなっていくのではないでしょうか。主人公のライバルも出てくるようなので楽しみです。
追記
2巻読みました。
*1:圧倒的で絶対的な力、カリスマ性や魅力を総合した勝手な評価