魔王の片鱗を垣間見た 「銭の戦争2 北浜の悪党たち」
「銭の戦争2 北浜の悪党たち」を読みました。この巻では、魔王の片鱗を垣間見ることが出来ました。
ざっくりした内容紹介
父親から勘当を言い渡された享介は、東京を出て京都の禅寺に養子に入り、“実王寺狂介"と名を変えた。修行を終えた後、商売の本場・大阪で、北浜銀行の創立に剛腕を発揮した岩下清周、野村證券の創業者・野村徳七ほか金融界で活躍する相場師たちと出会う。
Amazonから引用。序盤から中盤は、狂介が大阪に行って何をしたかという狂介の行動と、ロシアが伊藤博文を暗殺するまでを描いています。
伊藤博文の暗殺後の中盤以降は、狂介のライバルとなる相場師界の大策士・天一坊の出会いと今後二人の対決が予想させる相場の戦いがどうなっていくのかといった感じでしょうか。次回はいよいよ銭の戦争が始まります。
感想
まずは全体の感想ですが、この巻は狂介が相場をほとんど張りません。相場での活躍を期待していたのですが、それは次巻に持ち越しということになりそうです。ただ相場ではありませんでしたが、他の相場師との出会いから狂介の魔王の片鱗を見られました。膨大な知識や先見の明、頭のキレは他の相場師を圧倒しています。
下記には細かな感想も少々。
ラスプーチンの奇跡
ラスプーチンはベットに横たわる娘の枕元に進むと十字を切り、祈りの言葉を口にした。すると、見る見るうちに娘の顔に赤みがさしていく。
この文章を読んだときは、なんでリアリティが無くなるキャラを出すのかなと思っていました。ラスプーチンが神父だということは知っていましたが、これはやり過ぎだろうと。そう思ってWikipediaで調べてたのですが
血友病患者であったアレクセイ皇太子を治療して皇后の信頼を得た。 グリゴリー・ラスプーチン - Wikipedia
がっつり書いてありました。胡散臭いやつだなと1巻から思っていたのですが、逸話として残っていたんですね。けど本当なんですかねえ。何事も祈って治ればいいのですが。
狂介の決意
「大変ありがたいお話ですが、お断りします。私は死ぬまで一相場師でいたい。相場師であるために父を裏切り家族も捨てました。そういう生き方しか私には出来ません。どうぞご理解下さい」
これは、北浜銀行の創立に剛腕を発揮した岩下清周から、養子になって一緒に北浜銀行を大きくしていこうぜというお誘いを断るシーンなんですが、相場師として死ぬまで生きていく確固たる決意が感じられます。
私なら、二つ返事で引き受けますけどね。銀行の頭取から、「君は素晴らしい人材だね。ぜひ私と一緒に銀行を、いや日本を変えていかないか」なんて言われたら、もう「はい喜んで!」と居酒屋顔負けのハツラツとした返事をしてしまいます。
やはり器が違うんですね。芯のぶれない人間になりたい。
狂介の情報整理方法
「情報は量ではない。整理が鍵だ。それも情報を実際に使う人間の眼で整理がされていないと駄目だ」
いやー狂介さんのお言葉は為になりますなあ。私のPocketやはてブの状況を的確についてらっしゃる。
どうも私は情報を収集して満足してしまいがちなのですが、そのままだと必要な情報がすぐに見つけられないんですよね。タグ付けや必要のない情報をなくすなど、情報整理をやっていく必要がありますね。