永遠の名作と呼ばれたSF小説「夏への扉」
SFの名作ということで「夏への扉」を読みました。おすすめですよ。
- 作者: ロバート・A.ハインライン,福島正実
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 文庫
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大雑把な内容紹介(少々のネタバレ有)
この本は、ロボット工業など科学が大きく発達した1970年の話。
主人公のダンは、恋人のベルと親友のマイルズに裏切られて、地位も財産も何もかも奪われてしまう。失望のあまり飼い猫のピートとともに冷凍睡眠で30年間の眠りにつこうとするが、やられっぱなしで終わるような男ではなかった。一矢報いてやろうと裏切った二人の元へ赴くが、返り討ちに会いピートは行方不明に、ダンはドラッグを打たれ、意識が混濁したまま冷凍睡眠に送り込まれてしまう。
2000年に意識を取り戻したダンは、冷凍睡眠の30年間に何があったのかを探っていくうちに未完成のタイムマシンの存在を知る。そのタイムマシンを利用して1970年に戻ったダンは、未来を変えることができるのか。
感想
こりゃSF小説の名作にもなりますわ。本の裏表紙に永遠の名作と書かれていた理由もよくわかります。上記の大雑把な内容紹介を読んでいただければわかると思いますが、内容はSFの王道です。野球でいうと、直球勝負の豪腕ピッチャーです。
SFの王道
未来から過去に戻って未来を変えてしまうのは、SFでは王道ですよね。でも、その王道をロマンチックに描かれているからこそ、今でも名作と言われているのだと思います。このロマンチックについて、きちんと感想とか書きたいんですけども、話の後半で上記のあらすじでも書いてないところなのでやめておきます。読んだ人のお楽しみということで。
あと名作と言われる理由として、SF小説を読んだことがない人でも受け入れやすいこともあるでしょう。タイムトラベルは、とても遠い存在なのに、マンガや映画によって身近なものだと感じさせますからね。やっぱり手塚治虫や藤子不二雄は偉大です。
ダンの魅力
主人公のダンなんですけど、あらすじには「恋人や親友に裏切られて~」と書きましたが、ちょっとお人好しなんですよ。 人柄がいいといいますか憎めないんですよね。つい感情移入しちゃう、そんなキャラです。でもお人好しでダメキャラというわけではなく、ロボット開発の技術者として優秀なんです。まあ優秀だからカモられたんですけど。でも良いんです、ネコ好きですから。
冷凍睡眠で思うこと
冷凍睡眠は、もしかしたら生きているうちに実現するかもしれない技術ということで、ふと思ったんですけどね。冷凍睡眠しても、知り合いも家族もいないなら、未来でも生きていくのが辛いだけだと思うんですよ。
例えば、不死の病にかかってしまったけど、やがて治療法が見つかるだろうから、それまで冷凍睡眠するなんて考えの人もいるかもしれませんが、治った後に幸せになれるかどうかわかりませんよ。
「知り合いいないし、治ったところで絶望は変わらんわ」なんて考えに陥るなら、冷凍睡眠しないで家族に囲まれていたほうが幸せだと思いますね。
私が言いたいのは、人間関係は大事だということです。もし冷凍睡眠を本気で考えているならば、人生の伴侶か猫と一緒に寝てください。
まとめ
冷凍睡眠に文句はつけましたが、話は面白いですしSFファンに愛されている理由もよくわかります。読んだことのない人は、一度読んでみてはいかがでしょう。