はてなダイアリーで「Chikirinの日記」を運営している、ちきりんさんの『自分のアタマで考えよう』を読みました。
読もうと思ったきっかけは、どうも私は自分のアタマで考えずに、他人の考えに流されている点が多いです。本に書いてあることも、批判する視点を持たずに鵜呑みにしてしまいます。
そこで今回は、物事を自分のアタマで考えるために必要だと思ったことをいくつか紹介します
Photo:The Thinker - Neil Elias By Masamune81
「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
情報を見たときにまず考えなければいけないことは、「なぜ?」「だからなんなの?」と問うことです。特に、数字の情報を見たときはこの問いが有効のようです。
「なぜ?」とは、情報の背景を探る問いです。数字は何かの減少や活動の結果なので、すべての数字には理由があります。
数字の増減には必ず理由があるので、その原因を考えようということです。
「だからなんなの?」は、「過去の結果がこの数字に表れているのだとしたら、次は何が起こるのか? それに対して自分はどうすべきなのか?」と、データの先を考える問いです。
「なぜ?」で過去から現在までの軌跡を理解し、「だからなんなの?」で未来を予想するということですね。これだけ見ると簡単なように見えますが、実際にやると難しいです。
こういうことを意識して行うと、日頃いかに情報に対して、適当に接してきたのかが露呈します。答えがあるものは、すぐに答えを求めるから悪いんでしょうね。
今後、書籍やテレビ、新聞の情報を見ても鵜呑みにするのを止めることから始めたいと思います。でも、情報を鵜呑みにするのって楽なんですよねえ。
縦と横を比べる
分析をするために効果的な手法は、比較することです。
縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること
横=他者比較=国際的な視点でものごとを見ること
比較をするには、この二つを覚えておけば何とかなるようです。
確かに、比較をすることで長所と短所がわかりますからね。似ているものでも、比べてみると多くの違いが見えてきます。
例えば、今のシーズンは手帳が売れる時期ですので様々な種類が店頭に並んでおります。一見、手帳はすべて同じように見えますが、値段やサイズ、スケジュール欄のタイプ、デザイン、付録などを比べてみると違いがわかりますね。
知識を思考の棚を整理する
今はインターネットによって多くの知識を得ることができますが、その知識をアウトプットにつなげなければ役に立たない知識になってしまいます。ですが、知識をどうスタンバイさせておけば役に立たせられるのかをイメージできていませんでした。
その問題を解決させられそうな考え方がこちら。
単純に「知識を保存する」=「記憶する」のではなく、知識を洞察につなげることのできる仕組みとして「思考の棚」をつくる
思考の棚とはなんじゃらほいと思っていましたが、思考の棚の作り方も書いてあったのでメモしておきます。
①知識は思考の棚の中に整理すること
②空いている棚に入るべき、まだ手に入っていない知識を常に意識すること
③それらの知識が手に入れば言えるようになることを、事前に考えておくこと
知らないことを知り、それを知ることで何がわかるのかを考えておくことで、インプットするべき情報とアウトプットできる情報を管理することができるようになります。
例えば、小保方さんのSTAP細胞騒動について考えてみます。この事件について空いている棚に入れるべき情報は、STAP細胞検証実験の結果でしょう。
もし成功したのならば、しっぽ切りをした理研が悪いとか言えますし、失敗ならば小保方さんだけが悪いのか、ネイチャーが適当な論文を掲載するから悪いのではないか、など言えるようになります。
ただし、結果ありきで知識を求めるとすべての知識を考慮せずに、自分の考えを裏付ける知識だけを集めてしまいかねないので注意する必要があります。
まとめ
言われてみれば当たり前のことですが、その当たり前を意識しているかどうかで考える力に差がついてくる気がします。
ちきりんさんが本書で言っていることがすべて最適解とは限らないので鵜呑みは禁物ですが、自分の役に立ちそうなことは実践していきたいと思います。