思考力がちょっと実行するだけで鍛えられる4つの習慣
「ポール・スローンの思考力を鍛える30の習慣」を読みました。この本には、様々な成功を収めた思考の達人たちがどのような思考をしているのかが書かれています。
思考の達人と言っても、独創的で他の人ができないような思考をしているわけではありません。どこにでも存在しているただの人間です。つまり、思考力さえ身についてしまえば誰にでも思考の達人になることが可能なのです。
今回は、その思考力が鍛えられる習慣の中から、私がすぐに使えそうだと思うものを紹介したいと思います。
Photo:Think First By jDevaun.Photography
問題を分析し、問う
問題を分析することは重要です。アインシュタインは、世界を救うために一時間を与えられたら、55分は問題の分析に使い、残り5分で解決を図るといったそうです。
問題を分析することで、先走って問題の本質とは違う解決を図ろうとしたり、取り組むべき事柄がわかり、優先順位をつけることができたりするからです。
では、どのように問題を分析していけばいいのか。それは5W1Hを使うのです。
5W1Hの使い方
「なに」「なぜ」「いつ」「どう」「どこ」「どれ」の六語を使うことで、問題を詳しく調べることが可能です。それぞれの言葉は、肯定と否定の両方の文脈で使うことができるため、12の問いを作ることができます。
ある問題に対して問いを作ることで、当たり前の答えしか出ないこともありますが、想像できなかった答えが出てくることもあります。
では、実際にやってみましょう。今回は、「ウェブサイトのPV数が伸びないのはなぜか」でいってみましょうか。理由は、身近で書きやすかったからです。
- なにが閲覧者にとってサイトの魅力なのか?
- サイトのなにがいけないのか?
- なぜそのサイトを作ろうと思ったのか?
- なぜ他の人はそのコンセプトのサイトを作らなかったのか?
- いつ閲覧者はサイトを見るのか?
- いつ閲覧者はサイトを見ないのか?
- 閲覧者はどのようにサイトを見るのか?
- 閲覧者が見ることを拒む方法は、どのような集客方法か?
- サイトをどこで宣伝するのか?
- サイトをどこで宣伝しないのか?
- だれがサイトを見るのか?
- だれがサイトを見ないのか?
12の問いを作ってみました。
確かに、12の問いに丁寧に答えていけば問題の整理が可能ですね。問題の解決方法がいくつも出てきそうなときは、この方法を使えば良い答えが出てくるでしょう。
組み合わせる
2つの商品を見たときに、それを頭のなかで組み合わせる習慣をつけましょう。
人と会ってビジネスの話になったら、お互いのビジネスを組み合わせたらどうなるか考えてみたり、趣味の話になったら、その趣味を組み合わせて新しいものができるかどうか考えてみると、意識せずとも組み合わせる思考が身についていきます。
既存のものを組み合わせて創りだされたものは、世の中にいろいろあります。言ってしまえば、消しゴム付き鉛筆もただ消しゴムと鉛筆を組み合わせただけです。それだけなのに、莫大な利益を生み出しました。
2つのことを組み合わせて新たなアイデアを生み出せる力は、大きな武器となります。その武器を磨くために、頭のなかでいろいろなことの組み合わせをやって何が生まれるか考えていきましょう。
水平的に考える
一般的な思考は、決まった方向から直接的にものを考えます。一方、水平的な思考とは、意図的に従来のアプローチを避けて、全く新しい角度から問題に取り組むことに重点を置く考え方です。つまり、先入観にとらわれない考え方をしようということです。
しかし、先入観にとらわれない考え方をしようと言われても、いきなり全く新しい角度から問題に取り組むのは難しいです。簡単に考え方を変えられるならば、人類皆起業家になれますからね。なので、先入観にとらわれない考え方をするためのテクニックを2つ紹介します。
「もし~だったら、どうなるか?」と問う
問題に対して、「もし~だったら、どうなるか?」と問いてみましょう。いろいろな可能性を探るのと同時に、思い込みが間違っていないかを確認することができます。
また、極端な問いにすることで、新しい観点からアイデアを生み出すことができるようになります。
今回は例えを「みんなに見てもらえるウェブサイトを作る」にしてみましょう。
- もし1億人に見てもらえるなら、どうなるか?
- もし一人しか見てもらえないなら、どうするか?
- もし文字を書かないなら、どんなサイトが作れるか?
- もし文字しか書かないなら、工夫する箇所はどこか?
もう少し掘り下げてみたら、面白そうなアイデアが出てきそうな気がしますね。文字を一切書かないサイトは、個人的には面白そうです。
ランダム入力を試す
新しいアイデアや、奇抜なやりかたを見つけたいときは、ランダム入力を試してみましょう。そのために、辞書からランダムに名詞を選ぶ方法が有効です。
やり方は簡単。辞書からランダムに選んだ名詞と問題を強引に結びつけましょう。不発に終わる場合もあるようですが、かなりの割合で画期的なアイデアが出てくるようです。
アイデアの評価をする
アイデアを多く出せるようになっても適切な評価ができないと、良質なアイデアが無駄になってしまう恐れがあります。そのため、使えるアイデアかどうかを見定めるために、選考基準と重要度の区別を行いましょう。
選考基準は、ある程度の幅を持たせるべきですが、あいまいになってはいけません。基準の数は、多くても3つで良いでしょう。
基準の例として、「実行可能か、魅力的か、斬新か」「よりよいか、よりわかりやすいか、より安いか」などがあります。これは、新製品のアイデアを検討している時の基準ですが参考になると思います。
重要度の区別は、選考基準に基づいて「見込みが無い、興味深い案、名案」の3つに分けます。見込みが無いものをバッサリと切り捨てることで、見込みのあるアイデアに時間を取ることが可能となります。
まとめ
思考の達人は、答えよりも問いを使います。今回紹介した4つの習慣にも3つは問いが入っていました。思考力を鍛えるためには、様々なことに対して問うことが大切なようですね。
- 作者: ポール・スローン,黒輪篤嗣
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2011/01/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 2人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
関連記事