人工知能に振り回される人類
『クラウドからAIへ』を読みました。
『クラウドからAIへ』には、現在のAIになるまでの歴史や現在使われているAIの特徴、AIの危険性など、AIの基本的なことがわかりやすく解説されています。
本書を読んで思ったことは、AIによって便利になりましたが、それゆえに依存してしまい振り回されてしまうのではないか、ということです。それをこれから書いていきたいと思います。
Photo:Technological World By alexbrookey
AIに仕事を奪われる人類
まず、AIによって仕事が減っているということです。今までは全て人間がやってたことが、AIの進化によって機械がやり始めてきています。
例えば、Amazon.comではロボットが運搬を行ってます。ロボットが、商品を搭載した荷台を動かして、倉庫内をほぼ自律的に移動するのです。これによって、倉庫内で作業する人間がほとんど必要なくなりました。これが、日本にも取り入れられたら、軽作業がなくなるかもしれませんね。
また、単純作業だけでなく知的作業もAIが行うことができるようになり始めています。
AIができるようになりつつある知的作業の一つは、医療です。
ワトソンというIBMのAIがあり、これは独自の言語処理技術で人間と質疑応答することができます。この質疑応答を通して、患者に適切な病名を診断することができます。固定概念や思い込みがない分、人間よりも正しい病名を診断できるのではないかと言われています。
漫画で言うと、ドラえもんのお医者さんかばんのようなものです。いずれは、一家に一台お医者さんかばんが配置されるかもしれません。食いっぱぐれのないと言われている医者ですらAIに仕事を奪われる、そんな時代になるのでしょうか。
AIに甘やかされる人類
AIの進歩は凄まじく、販売はしていませんが車を自動で走らせることができる世の中です。
まだ実用化は先だろうと思っている人もいるかもしれませんが、既にアイサイトなど衝突回避を自動で行うものや先行車を追従走行する機能が車に搭載され始めています。これもAIの制御によるものです。
すでにこの恩恵を受けている人は、これ無しでは運転したくないと思い始めているのではないでしょうか。ある程度、自動化の一部が認知され始めたら、次は別の自動化を進めていく、このような流れで自動車メーカーは少しずつ車の自動化を進めていくはずです。
このまま技術が進歩していくと、MTからATに移り変わっていったように、全自動走行の車が一般的になり、自分で運転する車が趣味で乗るものに変わっていくかもしれませんね。
自動運転に抵抗がある人もいるかと思いますが需要は既にあります。例えば、年を取り運転できなくなった人は生活に支障をきたしている状況です。これから日本は高齢化が進みますから、もしかすると段階的に自動化を進めるのではなく、数年後に全自動走行車が実用化され始めるかもしれません。
AIに殺される人類
AIは自律的な判断ができるものです。その判断によって人間を敵とみなすようになると、自分の判断で人を殺す軍用ロボットが運用されるようになります。
上記のような自律型の軍用ロボットは開発されていませんが、自律性を持たないロボットならば、すでに開発されています。無人航空機「プレデター」など聞いたことないでしょうか。
プレデターは遠隔から無線で兵士が操縦する航空機です。始めは空からの偵察用として開発されたのですが、テロリストを目撃しながら取り逃がしてから、プレデターにミサイルを装備するようになりました。
このプレデターミサイルによって、テロリストを攻撃できるようになりましたが、誤射によって民間人にも被害が出ています。
この無人兵器が自律的な攻撃をできるようになったら、どうなるのでしょうか。AIだからといって誤射がなくなるとは限らないでしょう。もし不具合が起きたら、無差別に人間を殺すかもしれません。
ひょっとするとターミネーターやマトリックスなど、人間対機械の戦争が行われる未来もあり得るのかもしれませんね。
クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場 (朝日新書)
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