知識や教養を得る方法として読書がおすすめされる4つの理由 『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』
「本の「使い方」1万冊を血肉にした方法」を読みました。この本は、出口治明さんの読書方法や読書の考えが書かれており、参考になるものが多かったです。
この本から今回は、知識や教養を得る方法として読書が優れている理由を紹介したいと思います。
まず知識や教養を得る方法は、大きく分けて3つあります。
一つは、人から教えてもらう方法。二つ目は、旅をして経験から知識を得る方法。三つ目は、本を読んで知識を得る方法です。
この中で知識を得る一番優位な方法だと著者が主張しているものは、本を読んで知識を得る方法です。どうして本が、人や旅から知識を得る方法よりも優れているのか。その理由は4つあります。
Photo:Open Book By fahid chowdhury
コストと時間がかからない
人から教えてもらって新たに知識を得るためには、時間を合わせて話を聞いたり、お金を払ってセミナーを聞いたりしなければなりません。そのうえ、めったに会うことができない人から話を聞くには更なる費用と時間を費やさなければいけないでしょう。
しかし、本ならば好きな時に知識を得ることができますし、コストも数千円で済みます。
例えば、海外の大企業の社長の考え方を知りたいと思ったとき、直接話を聞く方法を取るならば、講演をするまで待ち、講演が決まったらその場所へ行き話を聞かなければなりません。言語が違うならば、話を理解できるまで語学学習もしなければなりませんので、こう考えていくと気の長くなる話です。
一方、その人が本を出版しているなら、その本を購入するだけで手軽に話を聞くことが可能です。
また、学ぶタイミングも気にする必要がありません。その本を手元に置いておけば、読むべきタイミングだと思った時に読めばいいので、効率よく知識を身につけられます。講演などと違ってまとまった時間を用意する必要もないので、誰でも知識を得られるのは大きな優位点でしょう。
当たり外れが少ない
人と交流を深めることで得られることも多いですし、海外に行った経験から得られることも多いです。ですが、会ってみた、行ってみたけど期待外れだったということも多いと思います。実際に行ってみないとわからないので、たくさん行動して知識を得ていくというのが、人や旅から知識を得るということです。
一方、本、特に古典というのは、長い間市場の洗礼を受け、人々に選ばれ続けたうえで現代にも残っているものですので、変なビジネス書を読むよりも古典を読んだ方が為になります。
ただ、古典は難しいですし、読むのに時間がかかってしまいます。私もたまに古典に挑戦してみるのですが、挫折してしまうことが多々ありますので、スラスラと読めるようになりたいものです。
時間軸が圧倒的に広くて深い
本というのは、時間を遡ることが可能なタイムマシンのようなものです。本を読むことで、書かれた時代背景やその当時の人間の思考などを知ることができるためです。
例としてこういったことが書かれていました。
ヘロドトスが書いた『歴史』(松平千秋・訳 岩波文庫)を読むと、「クフ王が国民の苦しみも顧みずに大規模な土木事業を繰り返したのは、自分の墓をつくりたかったのだ」と書かれています。 (現在では、ナイル川の氾濫で職を失った農民のための失業対策事業であったと考えられていますが)
このように人に聞いたり、旅に出て見てみるだけでは分からないようなものを書籍通すことで知ることができます。それに当時の文献を見ることで、通説とは違う考えも知ることができるのは面白いですね。
追体験できる
本を読んでいくことで、人は追体験することができます。哲学書ならば思考の追体験ができるので、どのように思考のプロセスを経て、このような結論に辿り着いたのかを理解することができます。
哲学書でなくても、小説でも追体験は可能です。例えば、中学生が「医者ってどんな仕事をしているのだろうか」と思った時、実際に病院に行って業務をさせてもらうことなんてできないでしょう。しかし、小説に書いてある仕事の描写などから追体験することは可能です。
本は旅や人に比べたら人への影響力が弱いと思われがちですが、胸糞悪い小説を読んで暗い気持ちになったり、恋愛小説を読んで胸キュンしたりと、人の感情を動かす力があります。ある一冊の本を読んで人生が変わったという人もいますから追体験の力は、バカにできません。
まとめ
様々な方向から本が優れている理由を書いていきましたが、人から聞くことや旅をすることにも、それぞれの良さがあります。
本や人、旅など一つの方法だけで知識や教養を得ようとするのではなく、いろいろな方法で知見を広げていくのが一番でしょう。
本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)
- 作者: 出口治明
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2014/09/12
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る