『趣味は読書。』痛快な批評と炎上する批評は紙一重
「趣味は読書。」を読みました。読んだ理由は、ベストセラーへの批評がスカッとできそうだったからです。
内容紹介
この本は、文学評論家の斎藤美奈子さんがベストセラーを読んで、内容を報告してくれている記録が綴られています。
読んだことがない本でも、未読者向けに内容が書かれていたので把握しやすいものとなっていました。一冊のベストセラーに対して6ページで批評が終わるので、ほろ酔いの人間にも気軽に読みやすくて良かったです。売れた理由も考察されていて、ベストセラーのベストセラーたる所以が理解できた気がします。
けれども、7割くらいは内容をボロクソに批評*1してたんですけどね。少なくとも私はそう感じましたよ、ええ。
感想
この本の面白いところは、読んだことがない本なら著者の批評を楽しんで読むことができることでしょうか。読んだことある本でも、愛着がないなら不快にはならないと思います。
この本の批評を身近なことで例えるならば、インターネットで話題になっていたものを一週間遅れで紹介するテレビ番組をバカにしている人や 、「何人もの人にリツイートされているけど、中身がないツイートだ」と言っている人でしょうかね。
実際にやったことやこのように思ったことはありませんか?もし経験があるなら、この本の批評は楽しめますよ。
批評について思うこと
批評って面白いんですよ。自分じゃ言えないようなことをズバッと言ってくれるからでしょうかね。批評を読むのはとても好きです。批評しているのを見るとスカッとします。でも批評ならなんでもいいわけではないんですよ。
批評を第三者が見た時にどう思うかが、その批評を面白いと感じる重要なポイントだと思います。
批評している人は批評したものにしか意識が言っていないので、批評している姿がどう見られているかまで意識していない気がします。それが原因で炎上して、言われたほうの気持ちを考えろ、とか言われて批判されているのをよく見ます。
ただ炎上するほどの批評というか批判はダメでしょうが、人の目を気にして当たり障りのないことを言うのもまた面白くないんですよね。
批評は叩かれるかどうか絶妙なラインでやらないと、痛快な批評にはならないんだと思います。しかし人を不快にさせるだけの批評なんて面白くありませんし、見当外れの批評もイマイチです。
いかに鋭く痛快で人を不快にさせない批評が、面白い批評になるのでしょうね。それが、いわゆる毒舌というやつでしょう。悪口言えばいいわけじゃなく、それをいかにセンス良く言うのかが鍵だと思います。
そう考えると、書評もセンスが問われるんですかねぇ。いや、書評は別に本を批評することを指しているいるわけじゃないしなぁ、でも批評と思っている人も知るかもしれないし……私のブログはこれからもずっと感想ブログと名乗っていくことにします。
*1:ここでは、よくないと思う点をとりあげて否定的な評価をする言葉として使う