人に与える人が成功する『GIVE & TAKE』
「GIVE & TAKE」を読みました。これは、「情けは人のためならず」という諺を様々なケースから分析し、真実であるということを書いた本です。
今回は、その内容をざっくりと紹介していきます。
Photo:You give before you get By jackn888
3タイプの人間
この世の中には、3タイプの人間がいます。
- ギバー。他人のことを考えて行動し、惜しみなく人に与える人。損得勘定をあまりせずに与えていく。
- マッチャー。損得のバランスを考える人。誰かから与えられたら返そうと考え、与えたら返してくるだろうと考える。
- テイカー。自分の利益を優先させる人。
皆さんは、どのタイプに近いですか?
日本人はテイカーが少なく、マッチャーが一番多いのではないでしょうか。出る杭は打たれるという言葉もありますし、損得のバランスで動いている人が多いようにも感じます。
この本の主張は、ギバーになろうと言っておりますので、なるべく他人に与える人になりましょう。
しかし、与えてばかりでは得ができないように感じますよね。実際、この3タイプの人間の中で、成功からほど遠い位置にいるのはギバーだったそうです。
ですが、成功を収めているのもギバーが一番多いのです。マッチャーやテイカーは、可もなく不可もなくといった結果に終わることが多いようですね。
どうしてギバーが成功をおさめやすいのかと言いますと、損得勘定をせずに他人に与えていくため、人間関係を構築するのが上手いのです。人脈が成功を導いてくれるといったところでしょうか。
ギバーが目指すタイプ
さて、これを機にギバーになろうと思う人に気を付けてもらいたいことがあります。ギバーにも2種類ありまして、自己犠牲タイプと他者志向タイプに分けることができます。目指すのは、他者志向タイプのギバーです。
自己犠牲タイプというのは、自分の目的など気にせずに与えてしまう人です。他人に勉強を教えることしかできなかったので、自分のテストの点数が悪くなってしまう人はこのタイプに当てはまります。
一方、他者志向タイプとは、他人に与えることで自分の目的も達成することができる人のことです。チームで一つのプロジェクトに取り組んでいるとき、チームメイトにアドバイスを与えていくのは、自分の時間が減って損をしているように見えますがチーム全体でみると得をしています。
このように、自分の利益よりも、チーム全体が得をするようにパイを大きくしていくことが他者志向タイプのギバーなのです。
ギバーが気を付けるべき3つの罠
最後に、ギバーが気を付けるべき3つの罠を紹介します。
- 信用しすぎること
- 相手に共感しすぎること
- 臆病になりすぎること
この3つに気を付けなければ、自己犠牲タイプのギバーとなってしまいます。ギバーの人に与えるという特徴をテイカーに利用されてしまいますから、与えようとしている人間がテイカーかどうかを見定めなければいけません。
自分のためにしか動いていない人には、時間を割かないで自分のために使ったり、相手がお願いしてきたときは相手の気持ちを探るのではなく、相手の目的に注目することでテイカーに利用されることが少なくなります。
ギバーは、他人に利用されないように与えることが重要になります。
まとめ
翻訳者の前書きにも書いていたのですが、この本を読み終えたときは誰かに与えたい気持ちにさせてくれる本でした。私は、相手がテイカーかどうか見定めることができないので、大きな損をしないことから与えていきたいなと思います。
日本人は、情けは人のためならずという諺もあるようにギバーも多いでしょう。ですが、自己犠牲タイプになってしまっている人も少なくないと思うので、人に与えることで自分が損しかしていない状況になることが多い人は読んでみるといいかもしれません。お人よしとよく言われる人にぴったりだと思います。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
- 作者: アダムグラント,Adam Grant,楠木建
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2014/01/10
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