ポジティブ思考が苦手なあなたに『ネガティブのすすめ』
世の中、前向きに生きようだのポジティブシンキングが大事だの言われてますよね。そんな世の中に嫌気がさしたネガティブ思考の私は一冊の本を取りました。その本とは『ネガティブのすすめ』です。タイトルからして後ろ向きで好感を持てます。
簡単な著者紹介
著者は自称「ポジティブ人間嫌いの精神科医」の最上悠さんです。なかなかクレイジーな肩書きです。早速ポジティブのネガティブキャンペーンから始まる本書から察するに、筆者も闇の深そうなネガティブ思考をお持ちのようです。
しかし、ポジティブのネガキャンも私怨から書かれているわけではなく、精神科医の視点から書かれています。
そのポジティブのネガティブキャンペーンの中身を簡単に書くと、あなたが考えているポジティブって本当にポジティブ? 歪んでない? という提唱です。
歪んだポジティブ
例えば、ポジティブ過ぎてネガティブな部分に目を向けられない人。そういう人は、良い所ばかり目を向けてしまうので、リスクヘッジができない人です。良く言えば勇気を持って挑戦する人でしょうが、悪く言えばギャンブラー、ネガティブ思考の私から言えば底抜けのバカです。
同じように、失敗からの立ち直り方も良いポジティブと歪んだポジティブがあります。良いポジティブは失敗してもクヨクヨせずに反省して次に活かし、歪んだポジティブはクヨクヨしないが反省もしないという感じです。
ただ、それでもネガティブよりもポジティブのほうがいいじゃんと思う人は少なくないでしょう。私も頭によぎりました。それほどまで「ポジティブ思考=正義」で「ネガティブ思考=悪」という方式が染み付いてしまったようです。
ネガティブ思考=悪だという考えの人に
そんな「ネガティブ思考=悪」の自動思考を取っ払う一冊として『ネガティブのすすめ』をおすすめします。きっとネガティブ思考は悪いことではないんだと思わせてくれるはずです。
また、あまりにも行き過ぎたネガティブ思考にもおすすめです。過度のネガティブ思考なら、本書の第3章は心を覗かれたような気持ちになるかと思います。下記の考え方に身に覚えはありませんか?
ネガティブすぎる人というのは、ネガティブという麻薬的思考に頼りすぎてしまうクセがついているのかもしれません。「それがいちばんのやり方だから」と、今のネガティブな考え方に絶対的な自信をもって邁進している。「ネガティブを肯定しすぎている」と言ってもいいでしょう。
ポジティブ思考は真っ先に否定するくせに、自分のネガティブ思考は全く否定しないなんて、よく考えてみたらおかしな話です。そういう人は、前述と対比して歪んだネガティブ思考と言えるのではないでしょうか。
最後に
ネガティブ思考もポジティブ思考も、行き過ぎは自他共に害を及ぼします。過ぎたるは及ばざるが如しといいますし、自動思考もほどほどにして、本当にそこまでネガティブ(ポジティブ)に考えていいのかと自問することが思考の変化の第一歩だと思います。