『面接ではウソをつけ』をタイトルに惹かれたので読みました。この本は、就活を控えている学生向けに書かれたものですが、就活以外の面接や営業にも応用できるものだと思います。
著者は、営業コンサルタントの菊原智明さん。面接のプロでも就活のアドバイザーでもないのですが、営業のプロから見た独特の面接への視点は参考になるのではないでしょうか。
演じるということ
タイトルの『面接ではウソをつけ』ですが、これは文字通りの意味ではなく、面接では出来る人を演じろということです。
演じろと言われると難しいように聞こえますが、自分のダメなところを否定して、自分はできると自己暗示することに比べれば、はるかに簡単な方法です。その理由は以下の通りです。
自己暗示と違って、「弱い自分」「ダメな自分」と「演じている自分」が対立することはないのです。
だから、演技なら(完成度はともかく)誰にでも矛盾なく行うことができます。
「理想の自分」はあくまで演技で存在しているだけなので、本来の「ダメな自分」が否定してくることはありません。ダメな自分を消し去るように自己暗示をかける必要もないので、時間や労力をかけずに「理想の自分」になることができます。
では、どのように演じれば成功しやすいのか。それは、内定が多く出ている人やコミュ力が高い人を参考に、自分なりの「モデル」を作ってみてください。
- 自分に自信を持っている人
- 元気にハキハキと受け答えする人
- 誰にでも壁を作らず、話しかけられる人
- 笑顔が素敵で、周りの人を楽しくさせる人
どんなモデルでも構いません。自分の中に面接に通る人物像を作り上げて、その人物になりきりましょう。
自分に自信を持つために根拠など必要ありません。あくまで演技ですから、自信があるかのように振る舞えばいいのです。
しかし接した人間が納得する演技をするためには練習をしなければいけません。自信のある演技をするために練習は欠かさず行いましょう。
ただ、人は家庭や外などで自分を使い分けていると思うので、使い分けている自分を一つ増やす感じをイメージしたほうが演じる抵抗が少なく済むと思います。
演じている自分が素の自分になる
面接をする機会がない人でも、演じられる自分を増やすのは大きな武器になりますし、演じている自分が素の自分になる可能性も十分あります。
社交的ではないと思っていた人が、社交的なキャラを演じているうちに本当に社交的になったこともあるようです。ただ、社交的なキャラが素の自分になったからといって、元のキャラが無くなるわけではありません。元の自分を消すことは難しいので、演じることに抵抗を感じる必要はないでしょう。
また、演じたからといって性格まで変えることはできないだろうと思っている人はいませんか?そんなあなたが性格を変えられないのは、その思い込みが原因かもしれません。
自分がどんなタイプだとしても、「私は生まれつきこういうタイプの人間だ」と決めつけないでください。あなたは、「私の性格は○○だ」と思い込んでいるだけなのかもしれません。(中略)
特にネガティブな性格の場合、呪いのようにその性格を引きずって、「性格を変えたい、変わりたい」と思いながら、人生を歩んでいきます。
偽薬なのに本物の薬と同じ効果が出るというプラシーボ効果も思い込みの力ですから、思い込みには気をつけなければいけませんね。能力はあるのに「自分はできない」と思い込んで、自分の可能性を狭めてしまう壁を作らないようにしましょう。
まとめ
本書は、就活生だけではなく転職や営業をしている人、演じることで自分を変えたい人など、様々な人に合う本です。個人的には、就活生と性格を変えたいと思っている人にぜひ読んでもらいたい本ですね。