小中学生に読んでほしい古典 『君たちはどう生きるか』
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を読みました。小中学生に読んでほしい一冊です。
内容紹介
著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。
主人公のコペル君が日常生活で疑問に思ったことや問題にぶつかったときのコペル君の行動と、その行動を聞いた叔父さんがコペル君宛てのノートを書き残していく形で、話が進んでいく小中学生向けの小説です。
小中学生が知っておくべき知識や道徳的なことが物語に載せて描かれています。岩波文庫でしたが小中学生向けに書かれただけあって、とても読みやすかったです。
感想
読む時期によっては、人生を変える可能性のある本だと思いました。
この本は、軍国主義化していた混沌とした戦前の日本で、時代の悪影響を少年少女が受けないように書かれたものです。そのため、道徳的な人生訓が多く書かれているのですが、『君たちはどう生きるか』というタイトルの割りには説教臭くありません。
それどころか戦前の本だと感じないほど平易な文章で書かれており、内容も今読んでも色褪せません。
小中学生が物語を通じて、この先、生きていくために必要なことを知るためにはぴったりでしょう。この本を読むのに遅すぎるということはないと、ほかの人のレビューに多く書かれていますが、どうせならば早く読みたかったです。
人格形成される思春期にこの本を読んでいれば、今頃はコペル君のように素直で賢明な人間になっていたのかもしれません。まあ、多分なっていなかったと思いますが。
ただ、どの年代が読んでも、何かしら得るものがある本であるのは確かです。
私は、当たり前だと思われていることでも、追及することで真理にたどり着くこともあるニュートンのエピソードから、疑問を追及する大切さを考えさせられました。当たり前のことですが、視野を広く持つことが重要ですね。
今日はこれくらいで終わり。