就活生の現実 朝井リョウ『何者』
朝井リョウの『何者』を読みました。
この本は、就活をする現代の大学生をテーマに書かれた小説です。
朝井リョウといえば『桐島、部活辞めるってよ』など、少しクセのある物語を書く小説家ですよね。
『何者』もただの就活小説ではありませんでした。
あらすじ
就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。
学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。
この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。
影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
感想
この作品は読み方によって、ラストの衝撃が変わります。
いかに主人公に感情移入できるのかどうかがカギです。
感情移入は、ツイッターやはてなブックマーク、ブログをやった経験がある方だと比較的しやすいと思います。
特に、社会に対して批判的な目を向け、意見を言っている人はぴったりです。
意識高い系とか嫌いではないですか?
夢や理想を語るけど行動は達成に程遠く、口だけの人。嫌いではないですか?ツイッターで話題にしたことないですか?
そういう人は、主人公に感情移入できると思います。最高に楽しめます。
そして、読後SNSとの関わり方が変わるかもしれません。
ぜひ、読んでみてください。
ただ、就活生にはおすすめしません。心が抉られると思うので。
登場人物のような就活生はいるのか
私もSPIや就活本が主流となってからの就活を経験しています。
では、この本のような就活生は本当にいたのかどうか。
実際にいました。
ただ流石に、名刺を作ったという話は聞いたことありません。
ですが、人事が担当している会社のツイッターのアカウントをフォローして、商品のことを褒めたツイートを送る就活生をみたことがあります。
あとは、夢を追って就活しない人ですかね。本気かわかりませんが、バンドをやりながらフリーターとして生きていくと言ってました。
エピソードの細かい点は異なりますが、登場人物と同じ考え方をしている就活生は、少なからずいるということです。
雰囲気もそこまで差異はありません。就活の現実と言っても過言ではありません。
オススメしたい人
- 就活の雰囲気を掴みたい人
- ネットに自分の意見を発信してる人
- 意識高い系が嫌いな人