教養をつけるために5つの有名な宗教をまとめてみた
Photo:Cathédrale de la Almudena By karmajigme
教養についての本を読んだ際、宗教も教養の一つだということが書かれていたので、世界3大宗教と日本の宗教について知るために、「世界の「宗教と戦争」講座―生き方の原理が異なると、なぜ争いを生むのか」を読みました。
勉強のアウトプットとして、5つの宗教の特徴について簡単にかい摘んでまとめました。
ユダヤ教
神:エホバ(ヤハウェ)……旧約聖書における唯一神、世界の創造主。
経典:旧約聖書
主な信仰国:イスラエル、各国のユダヤ人
教え
ユダヤ教には、メシア(救世主)に対する信仰があるが、この救世主はユダヤ人しか救わない。その考えは、ユダヤ民族だけが神様によって選ばれ契約した人間であるという「選民思想」に基づいているため。また、ユダヤ教を信じるものがユダヤ人とされる。
つまり、ユダヤ教を信じている真のユダヤ人のみが救われるため、エホバを信仰している。
特徴
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は同じ神を崇めており、初めに作られた宗教がユダヤ教である。
新約聖書にユダヤ人が、イエスを処刑台に追いやったと書かれてしまったため、キリスト教徒から差別されている。その差別意識が「ホロコースト」へと繋がる。
ユダヤ教は、イエスを神と認めていない。イエスを神と認めると、エホバとイエスの両方が神となってしまい、神は一つしか存在しない一神教の考えと矛盾してしまうためである。
キリスト教
神:ナザレのイエス……キリスト(救世主)。ユダヤ教と同じ唯一神である世界の創造主が姿を変えたもの(三位一体)。
経典:新約聖書
主な信仰国:ヨーロッパ各国、アメリカ
教え
ユダヤ教の唯一神の矛盾を解消する考えとして、エホバ・イエス・神の聖霊の三位の神は全て同一の存在である「三位一体論」を唱えた。この考えは、理解するものではなく信じるものである。
「悔い改めよ」や「右の頬を打たれたら、左の頬を出せ」は有名な一節。「人間は生まれつき罪を持っており、イエス・キリストを通してのみ解決され救われる」という原罪の思想がある。
要は、キリスト教を信じないものは救われないという考え。
特徴
世界で最も信者数が多い。
キリスト教の「人間は神が作ったものであるため万人平等である」という考えから、「一人一票」や「基本的人権」がアメリカで生まれた。このことは、アメリカ独立宣言に書かれている。
すべての人間は平等につくられている。創造主によって、生存、自由そして幸福の追求を含むある侵すべからざる権利を与えられている。
カトリックやプロテスタントなど、様々な宗派の分裂が起きている。
イスラム教
神:アッラー(アラー)。ムハンマド(マホメット)は、神の言葉を預かった預言者であり、神ではない。
経典:コーラン(クルアーン)
主な信仰国:西アジア、中東諸国
教え
イスラム教は、厳しい戒律宗教であるため、信仰するならば神様が決めた規律を守らなければいけない。例えば、イスラム教徒の女性が黒い布を被っているのをよく見るが、あれは顔や体の線を隠さなければいけないため。食物規定もあり、豚肉を食べることは出来ない。
また、六信五行というイスラム教徒ならば信じなければいけない6つのことと、行わなければならない5つの行がある。神を信じているかどうかは、この戒律を守り実践しているかで判断される。
特徴
イスラム教も、ユダヤ教やキリスト教と同じ創造主を信仰している。しかし、この2つの宗教は、神の預言を正しく理解したものではないため認めておらず、ムハンマドが聞いた預言こそが正しい神の教えであるというスタンスである。
仏教
開祖:釈迦(ゴータマ・シッダルタ)
経典:宗派ごとに異なる。いっぱいある。
主な信仰国:インド、東アジア
教え
解釈が自由であるあまり、分裂が多すぎるため詳細は省略するが、簡単に書くと信じる者は救われるという教えである。
解釈が自由な理由の喩え話として、「仏教の悟りはひとつの山のようなものだ。山ならばたくさんの登山口があってもいい」というものがある。
特徴
仏教の教えの開祖は釈迦だが自由な解釈ができるため、日本の仏教は、日本独自の仏教となっている。
その例として、幽霊を払う方法としてお経が使われることがある。しかし仏教の教えは、輪廻転生という死んだ人間は常に生まれ変わる考えであるため、そもそも霊の概念は存在していない。幽霊の概念は、神道から来ている。
神道
神:八百万の神。めっちゃいる。
経典:明確なものはない。類似したものは、古事記や日本書紀など。
主な信仰国:日本
特徴
古来日本からある自然や自然現象を神として崇める宗教である。各地にある神社は、神道の宗教施設。キリスト教や仏教のようなややこしい教えはないが、古事記や日本書紀などに、人としての生き方が書かれている。神を信じれば救われるという教えではない。
死んだ人間は幽霊になるという考えは、神道から来ている。もし、幽霊に対して丁重に信仰しないと、無念の死を遂げてしまった幽霊は、鎮魂できていないため怨霊となり祟り神となってしまう。逆に、きちんと鎮魂すれば、御霊となって信仰する人間を守ってくれる。
もし無宗教で神様を信じていないが、先祖の霊は守ってくれていると思っている人は、実際は神道に入信していると言ってもいいのではないだろうか。少なくとも無宗教ではないような気がする。
その他に、穢れや言霊も神道の考えである。例えば、家族が使った箸を自分が使うのは抵抗があるのは穢れの考えであり、受験生に「滑る」「コケる」「落ちる」と言うのはよくないと言われているのは、言霊の考えがあるからである。このように神道の考えは日本人の生活に根付いている。
参考文献
世界の「宗教と戦争」講座―生き方の原理が異なると、なぜ争いを生むのか
- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2001/05
- メディア: 単行本
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上記の宗教についてわかりやすく書かれていたため、宗教について全く知識がなかった私にとって、とても勉強になった一冊です。