「ミッキーマウスの憂鬱」ディズニーを舞台にする必要がなかった作品
「ミッキーマウスの憂鬱」という小説を読みました。面白いかどうかで言われたら、面白くありませんでしたね。
内容紹介
東京ディズニーランドで準社員として働くことになった21歳の後藤。ディズニーランドなんだから仕事も夢を見させてくれるに違いないと思っていたが、蓋を開けてみればどこにでもある会社と変わらない風景。
仕事に失望する後藤。でも頑張る後藤。頑張るけど初日からトラブルに巻き込まれる後藤。負けるな後藤!トラブルを解決して成長するんだ後藤!
秘密のベールに包まれた巨大テーマパークの〈バックステージ〉を描いた、史上初のディズニーランド青春成長小説。
私のあらすじではなにを言っているのかわからないと思うので、Amazonに載っていたあらすじも貼っておきます。
感想
この作品が好きな人には申し訳ありませんが、今回は文句しか言いません。
イライラさせられる小説でした。主人公はムカつくし、現実味はないし、ディズニーである必要があるのかどうかも疑問です。史上初のディズニーランド青春成長小説とか言うのならば、せめて事実を基にして欲しかったですね。
怒りが収まらないので、ダメだったポイント書いていきます。陥れようとしているわけではなく、けなしていれば好きなところが見つかったりするはずです。それを信じて書いていきます。
主人公がムカつく
この主人公の後藤くん、ムカつくんですよ。空気は読めないし、勘違い甚だしいし。怒りが収まらないのでちょっと見ていきますね。
まずは、仕事初日にセキュリティゲートで警備員に道を教えてもらった後のシーンです。
「ありがとう」後藤はそっけなく告げて、さっさと歩き出した。新入りであることを見抜かれて、なめられたくない。
いや、別になめられてもいいと思うんですけどね。それにディズニーランドをなんだと思っているんですか後藤くんは。
次に、キャストが着る制服について後藤くんが触れるシーンです。
「キャストが身につける服は舞台衣装と同じ。だからコスチュームって呼ぶんです」
「なんか、イメクラみたい」後藤は笑ってみせた。
これから自分が働く職場ですし、相手が働いている職場を悪く言うってどういう神経しているんですかね。せめてもう少し面白いジョークを飛ばしてくれたらよかったのに。
ここまで書いて、後藤くんが空回りをしている描写をしたかったんだなとわかってきました。ちょっと許した。
ですが、それにしても空回りすぎだと思うんですよね。正社員によく突っかかりますし。成人しているんだから、もう少し空回りを抑えて欲しかったです。読者が不快に感じるような小説にしていないと思うので、そこが残念でした。
現実味がない
正社員を悪く書いて、準社員を良く書くのはいいんですけども、ここまで極端に悪役にする必要あったかなと。典型的な悪役にするもんだから小物臭が酷い。ってか正社員をこんな風に描写していたらオリエンタルランドに怒られないんですかね。
と思っていたら、オリエンタルワールドって名前になっていました。なんだ、役員の小物臭が酷い会社なんてなかったんですね。良かった良かった。
あと現実味がない点で言えば、後藤くんが入社して3日の出来事にしては濃厚過ぎるし、後藤くんが成長しすぎです。1日目で仕事に絶望していたくせに、2日目の終わりにはとても真摯に仕事に取り組んでいますからね。せめて一ヶ月くらいないと、考え方って変わらないと思うんですけどね。
ディズニーじゃなくていいじゃん
最後の文句となりますが、ディズニーじゃなくていいんですよ。
「バックステージを舞台に~」なんて書いてありますけど、レビュー見たらディズニーの情報でフィクション入れ込んでいるらしいじゃないですか。ただディズニー人気にあやかりたかっただけなんじゃないですか?
バックステージを舞台にした割には、その舞台が活かされていないように感じました。非常に残念です。
舞台裏が読みたいなら
舞台裏目的で、この本を読むのならば「ディズニー こころをつかむ9つの秘密」をおすすめします。東京ディズニーランドの開業前から、マーケティングに携わっていた方が書いた本ですから、具体的なエピソードが多く載っていて面白かったです。