「学問のすすめ 現代語訳」を読みました。この本は、ご想像の通り勉強の大切さを説いている本です。ただそれだけではなく、人間がどうあるべきかについても書かれています。
内容紹介
内容紹介と言っても、皆さんご存知でしょう。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」というフレーズで有名ですからね。
このフレーズは、天は人を生み出すにあたって平等で身分の違いなんかありません、という意味です。でも、平等といいながら世の中には貧富の差がありますよね。その格差は、勉強をしていないから生まれてしまったのです。だから勉強しないと貧しい人生を送ることになるぞと福沢諭吉は言っています。要は勉強しろって言っているんですよ。
この本は、主に上記のようなことが書かれているわけですが、これが書かれた時代だけに当てはまるものだけではなく、現代にも当てはまるものだと思います。また、心の中心に何を持って生きていけば充実した生き方ができるのかといったことも書かれています。最近は、ビジネス書としても評価されていますね。
ビジネス書としても読める「学問のすすめ」には、いくつも参考になった言葉があったのでそれを紹介していこうかと思うのですが、すべて紹介すると多いので厳選したものを挙げていきたいと思います。
勉強しない国民が増えると政府は厳しくなる
西洋のことわざには、「愚かな民の上には厳しい政府がある」というものがある。これは政府が厳しいというより、民が愚かであることから自ら招いたわざわいである。
もしも国民がバカになっていくと、徳や恥を知らなくなります。そうなると私欲のために犯罪に手を染める人間が増えていき、国の秩序を保つために法律が厳しくなっていきます。このことから、愚かな民の上には厳しい政府があるということわざが生まれました。
例えば、飲酒運転の罰則は改正するたびに厳しくなってますよね。それは飲酒運転による事故数が増加が増えてきたことが原因の一つでしょう。飲酒運転での事故が増えたならば、法律を厳しくして国民を脅すしかありません。
ネットの世界でも同じことが言えます。昔は無法地帯だなんて言われてきましたが、違法ダウンロード刑罰化が施行されるなど、国がネットに向けた法整備を行い始めました。
こう考えると、愚かな民の上には厳しい政府があるというのは、近世の話ではなく現代にも起こりうる話なのかもしれません。
「怨望」は百害あって一利なし
怨望による不平を解消して満足する方法は、自分に得になることではなく、他人に害を与えることにある。
妬みというのは、とても恐ろしい物です。他人の幸福と自分の幸福を比較して、相手のほうが幸福ならば、人を陥れて不幸にしてしまうのです。「出る杭は打たれる」ということわざもありますが、あれは妬みを表現していることわざでしょう。
この怨望はどこから生み出されたかといいますと、地位や貧富の差からではなく、いいことも悪いことも全て運任せの世の中になると、怨望が非常に流行するようです。運も実力のうちといいますが、物事が全て運で決まると思っている人は、人を妬みやすいのかもしれません。
他人よりも劣っていて不幸だと感じた時は、他人を陥れようとするのではなく、改善して同じく幸福になるようにしましょう。ただ、日本人の考え方が妬みを生みやすいような気がしますけどね。