のほほん読書感想録

本の感想や学んだことを主に書いてます。ビジネス書から小説、漫画までいろいろ読んでます。最近はゲームや株主優待も取り上げてます。

詭弁に負けないように使いこなしたい3つの詭弁

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この世の中には詭弁があふれています。その詭弁を使いこなす悪い人もいます。

そんな世の中に嫌気を差した私は、詭弁には詭弁を駆使して生きていくことに決めました。もう、詭弁に振り回されたくありません。

目には目を歯には歯を、詭弁には詭弁を。

 

ということで、香西秀信『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』を読みました。

本書は、論理的思考の弱点を指摘し、議論の場では詭弁のほうが役に立つことを主張した本です。

 

今回は『論より詭弁』から、汎用性の高く日常でも出現頻度の高い詭弁を、例文付きで見ていきたいと思います。

 

言葉で何かを表すことが詭弁

 『論より詭弁』の第一章で書かれていることは、言葉で何かを表すこと自体が既に詭弁だということです。なぜなら、現実の物事を言葉で表す際、自分にとって最も都合のいい言葉を選択して使用することが可能だからです。

 

正直、何言っているのかわかりにくいと思います。そのため理解するための例として、一つの事柄から短所と長所を見出してみましょう。

 

例えば、Aくんが話し合いで、自分の意見を変えなかったという事柄があったとします。

この事柄から、Aくんは頑固で柔軟性に欠け融通が利かないという短所として捉えることができるし、Aくんは意志が強く、一途な性格で一度決めたことは曲げないという長所として捉えることもできます。

つまり、自分の考え方次第でどうとでも言うことができるのです。

 

これについて著者はこう言っています。

われわれは、表現しようとする対象を、ある程度は自由に「名付け」ることができる。そしてその程度が度を越したとき、われわれはそれを詭弁と罵るのである。
香西秀信『論より詭弁』P.44

 

この「名付け」の対処法は、受け入れるしかありません。一人ひとりの思想や価値観が異なるため、事実のつもりで言っているのか詭弁のつもりで言っているのか判断できないからです。

この名付けは凶悪で汎用性が高く、ビジネスの世界でも使われているほどです。商品紹介で長所ばかり言って、短所も長所に隠してしまうのも一種の名付けです。

 

無意識のうちに使っている「名付け」ですが、意識的に使えるようになりたい詭弁です。

 

相手の発言と行動の矛盾点を付く

相手の発言を否定したいときは、相手の行動や過去の発言を持ちだして矛盾点を指摘しましょう。

 

例えば、「禁酒禁煙をして、毎日運動して健康的な生活をしましょう」と主張する医者が酒豪でヘビースモーカーで運動嫌いだったら

「主張する生活をして健康になることが良いのなら、お前がしていないのはおかしい。そんな主張が聞けるか!」 

と否定するのです。

 

実際は、発言者の行動との不一致は、主張の当否と関係ありません。筋が通っていないのです。しかし、相手が気づかなければ通るような気がしませんか?

 

「レーシックが怪しいのは眼科医が眼鏡をかけているからだ」という意見も一見正しいように思えますが、レーシックの安全性と眼科医の被レーシック治療の数は医学的には関係ありません。

ネットでも、過去の発言を引っ張ってきて矛盾を指摘する場面がありますが、あれも詭弁です。論理的には通りません。

ただ、信頼できるかどうかは別の話です。

 

この詭弁は、発言者の信頼性を揺るがす攻撃とも捉えることができます。

 

立場の違いを指摘する

発言者の主張を、発言者の立場が偏向している、または公平ではないことを指摘して主張自体を否定してしまいます。

 

例えば、「税金を上げることに賛成だ」という国会議員に対して、「お前は国民より多く給料をもらっているから、税金を上げられるんだろ」と国民との立場の違いを指摘して否定するようなことです。

この国会議員が税金を上げる事を主張していることと、給料は関係ありません。正しい議論をするには、発言者の立場よりも主張の内容について話し合うべきです。

 

この他にも、発言者が主張することで利益がある場合に、この詭弁を活用することができます。

経営者が「仕事を効率化するために、ホワイトカラーエグゼンプションに賛成だ」と主張したら、社員は「経営者が残業代を出したくないだけだろ」という詭弁と一緒です。この場合は、経営者の利益を指摘するのはなくホワイトカラーエグゼンプションの議論をすべきです。

 

しかし、大抵は上記のような詭弁が通ってしまい議論が進まないことが多いです。

真面目な議論をするつもりならば詭弁に走ることなく、議論をする気がないならば自分と相手の立場を違いを指摘して、論点のすり替えを行いましょう。

 

循環論法

議論は根拠によって判断を論証するものであるが、判断を論証するのに根拠を用い、その根拠の妥当性を論証するのに判断を用いるという、判断と根拠が循環した詭弁である。
香西秀信『論より詭弁』P.160-161

噛み砕くのが難しかったので、そのまま引用しました。これは例を見てもらったほうが理解しやすいと思います。

 

「ガセネタを信じるAさんは、騙されやすい。なぜなら、情報を疑わないから」

「Aさんは情報を疑わない。なぜならガセネタを信じて騙されているから」

 

と判断と根拠をグルグル回せる論法が循環論法です。

こう見れば騙される人は少ないと思いますが、とっさにこの論法を使われると騙されている人もいるかもしれません。

 

また、心理学で「コピーしたいから、先にコピーさせてもらえませんか?」と「急いでいるので、先にコピーさせてもらえませんか?」という前者の理由にならない頼みごとでも、後者と同じくらい聞き入れてもらえるという話があります。

どのような心理が働いているのかは忘れてしまいましたが、頼まれた側に損が少なく理由をいう文脈だと聞き入れてもらえるようです。

 

「循環論法」+「理由の文脈」を駆使すれば、詭弁と気づかれずに意見を通せるかもしれません。

 

さいごに

詭弁に対抗するために、詭弁を知るだけでは勝てません。彼を知り己を知れば百戦殆からずという格言のように、詭弁を使い論点の穴を知ってこそ議論で使うことができます。

上記以外にも詭弁の事例に興味のある人は『論より詭弁』を読んでみてはいかがでしょうか。

論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書)

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