常識を疑い頭を柔らかくする2つの方法『99・9%は仮説』
『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)』を読みました。
本書は、常識や固定観念に縛られた生活をしている人におすすめの本です。
その理由は、タイトルにもある通りこの世の常識は仮説であり、明日には非常識になる可能性があることを教えてくれるからです。
世の中は仮説で出来ている
世の中の科学は、ほとんど仮説でできています。
飛行機が飛ぶ仕組みはすべて解明されていないし、地震がプレートによるものかどうかも100%確定ではありません。地球温暖化も二酸化炭素が原因なのかもわかりません。もしかしたら、地球温暖化によって二酸化炭素が増えているだけで、原因はもっと別のところにあるのかもしれません。
このように、科学によってすべてが解明されているだろうと思われていることも、突き詰めて考えていくと、実はよくわかっていないのです。
つまり、私たちの常識は仮説にすぎないということが本書のキーワードです。
このキーワードを裏付けるかのように、本書は時代の常識が非常識に変わる科学史を中心に掲載しています。そこから私たちの常識を疑うきっかけとなることを狙っているようです。
そして常識を疑う癖を付けることで、副題である『思いこみで判断しないための考え方』を身につけられるようになります。
常識を疑い頭を柔らかくする方法
常識を疑い頭を柔らかくした発想を生み出す方法は、2つあります。
常識が非常識に変わる歴史を学ぶ
一つ目は、本書が行っているように、その時代の常識が非常識に変わる歴史を学んでいくことです。
天動説から地動説へと常識が変わる流れを学び、なぜ天動説が常識になったのかを学び、なぜ地動説がすぐには受け入れられなかったのかを学ぶことで、常識が非常識に変わる原因や傾向を知ることができます。
この原因や傾向の知識を蓄積していくことで、常識を疑う嗅覚が次第に鋭くなっていくはずです。
また、歴史は繰り返されることが多く、現代では常識とされているものも将来は非常識となるエセ科学や健康法があるかもしれません。それらの被害に合わないためにも、常識を疑う嗅覚は持っている必要があります。
非常識へと変わる歴史は天動説の他にも、ロボトミー手術の発見から拒絶されるまでの流れ、バブルの始まりから崩壊までの流れなどがあります。これらは本書に掲載していますので、気になった人はぜひ読んでみてください。
タブーに挑戦する
あえてタブーに挑戦し、あらゆる仮説に触れることにより、知的な免疫力をつけろ。
これはアメリカの科学哲学者ファイヤアーベントの言葉です。この科学者は、科学革命に貢献した人であり、いわば常識を疑って功績を上げた人です。
この人が言いたいことは、あえて常識とは真逆の発想をしようということです。
例えば、私たちが住んでいる日本は資本主義で民主主義と言われていますから、その他の主義には触れることがありません。そこで、あえて専制国家や共産主義の思想に触れたり、国家そのものを否定するアナーキズムの考えに触れるなど、普段は触れない知識や思想に触れてみましょう。
私が興味がある思想は、ホーキングの実証主義です。これは、実験の結果さえきちんと合えば、実在うんぬんなんて関係ないというもの。なんらかの法則通りに世界が回っているんだから、実在してようが仮想世界だろうがそれでいいでしょという考え方とも取れます。
つまり、この私たちが住む世界は、バーチャルな世界かもしれないし、私の夢の世界かもしれないのです。
この発想は非常に面白く、今まで見たことなかった仮説でした。このような今まで考えたこともない仮説にもっと出会うことができれば、自分の考え方が広がっていく気がします。
まとめ
画期的なアイディアを生み出すためには、常識を超えた発想をしなければいけません。その発想をするためには、常識を疑い頭を柔らかくする必要があるはずです。本書はその手助けになる役割を果たしてくれます。
また、近年は情報社会と言われており、信用に値するものからそうでないものまで様々な情報があふれています。特に、健康法や資産運用など信じて実行するとマイナスになる情報もありますので、情報を疑う考え方は身につけたいものです。
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 新書
- 購入: 13人 クリック: 354回
- この商品を含むブログ (443件) を見る