先送りを止める方法は、先送りの習性を逆手に取ること
『すべては「先送り」でうまくいく ――意思決定とタイミングの科学』を読みました。本書は、「先送り=悪」という風潮をぶち壊す一冊です。
著者は、素早い決断が最善ではなく、タイミングを見計らって、そのギリギリまで決断を遅らせるこそが、よりよい意思決定のために必要である、と説いています。
その例として、テニスプレーヤーの先送りの使い方や話がうまい人の先送りの使い方が紹介してあり、とても興味深く面白かったです。
とまあ、本来ならその意思決定の例を紹介するところなのですが、その部分は本書に譲ります。
今回は、個人的に気になっていた先送りを防ぐ方法を2つ紹介したいと思います。
Photo:don't panic! By hufse
先送りをマネジメントする
先送りとは、ある物事を取り組んでいないことを指します。
例えば、部屋の掃除をしていても、食器洗いや洗濯をすることはできません。この場合、食器洗いや洗濯は先送りをしてしまっていることになります。
そのため、自分では先送りをしていると思っていなくても、この考えでは先送りをしてしまっているのです。
人は常に何かに取り組まないでいるのだから、重要なのは先送りをやめるのではなく、上手に先送りをする方法が大切ということです。
当たり前ですが、大切な物事を先にして、そうでないものをあとに回すことを心がけましょう。
構造的先送りを行う
先送りをしてしまいがちな人は、しなければいけないことを後回しにしてしまいます。
この習性を逆手に取ったのが構造的先送りです。
そもそも先送りというのは、先程も書きましたが全く何もしていないわけではありません。
先送りをするとき、その人はしなければいけないことの代わりに、今やらなくてもいいような別のことをしているはずです。
例えば、テスト前日に、部屋の漫画を再読してしまうような行為です。
つまり、重要度の低い作業が最もやるべきことをしない手段になる限り、重要度の低い作業が辛いことであっても、がぜん意欲が湧いてくるのです。
さて、構造的先送りの方法に戻ります。といっても、やり方は簡単です。
やらなければ困ってしまうことの上位に、重要ではないがやらなければいけないことを列挙するだけです。
そうすることで、一番下のやらなければ困ってしまうことをやるようになります。
テスト勉強の例で言えば、優先順位は以下のようにします。
- こち亀全巻再読
- 名探偵コナン全巻再読
- テスト勉強
こうすることで、こち亀を全巻読むよりも先にテスト勉強をしようと思えるようになるはずです。
試してみた感想としては、重要ではないがやらなければいけないことは、時間がかかるものにすると、より効果的です。
まとめ
今まで、先送り=悪だと思っていました。
しかし、この本に書いている先送りをすることによる様々なメリットを読むことで、先送りも悪くないと思えるはずです。
もし、先送り=悪だと思っており、かつ自分は先送りをしてしまう人だと思っている人は読んでみてください。
すべては「先送り」でうまくいく ――意思決定とタイミングの科学
- 作者: フランク・パートノイ,上原裕美子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/03/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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