仕事には効かない歴史エッセイ『仕事に効く 教養としての「世界史」』
『仕事に効く 教養としての「世界史」』を読みました。
本書は、無類の読書家として知られるライフネット生命の出口治明会長兼CEOが、社会人なら知っておいたほうがビジネスで役に立つだろう世界史について書いた歴史エッセイ本です。
一時期amazonでは世界史ランキング1位になっていました。教養を求めて、多くのビジネスマンが手にとったのだと思います。
感想
私がこの本を読んで思ったことは、信用していいのかなということです。
本書のはじめにこう書かれていました。
ここに書いたことは、この半世紀の間に、人の話を聴き本を読み旅をして、自分で咀嚼して腹落ちしたことがすべてです。勘違いや誤解が多々あると思います。読者の皆さんのご叱正をいただければ、これに過ぐる喜びはありません。
要は、出口さんの記憶や想像で書かれており、もし間違えていても許してね、と言っているのです。
歴史を学ぼうとして読み始める矢先、このようなことを書かれると教養として役に立つのかと心配になります。
また、参考文献があるのかどうか確認するため、おわりを読んだらこう書かれていました。
冒頭に述べたように、この本は、僕が半世紀の間に、観たり聴いたり読んだりして、自分で咀嚼して腹落ちしたことをいくつかとりまとめたものです。この本の準備のために読んだ本は一冊もありません。それが参考文献を特に明示しなかった理由です。
もうなんて言えばいいのかわかりません。一応、半分まで読みましたが本書が正しいのか信じきれなかったので、読むのを止めてしまいました。
今思うと、どうして本書がベストセラーになっているのかわかりません。Amazonの評価低いですし。でも、Amazonではベストセラー、店頭では目立つように平積み。
おそらくタイトルに釣られた人が多かったのだと思います。「仕事に効く」「教養としての」と書かれていたら魅力的ですからね。私も釣られました。
この本から学んだことは、歴史は楽をしようとしないで王道を読もうということです。
というわけで今、中公文庫の世界史(上)を読んでます。人間の歴史が網羅してあるので、未知の情報と既知の情報が一本に繋がっていくのが面白いです。おすすめ。
- 作者: ウィリアム・H.マクニール,増田義郎,佐々木昭夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: 文庫
- 購入: 37人 クリック: 1,062回
- この商品を含むブログ (82件) を見る