『校閲ガール』校閲者をテーマに描いたコメディ小説
宮木あや子『校閲ガール』を読みました。読もうと思った理由は、出版の校閲をテーマにした職業小説が珍しかったからです。
内容紹介
ファッション雑誌の編集を目指して出版社に就職した河野悦子だったが、配属先は校閲部だった。校閲原稿と格闘する悦子だが、担当する原稿や作家など周りでは様々な事件やトラブルが起こっていく。
そんな校閲ガールの日常(?)を描いたコメディタッチの小説となっております。
ちなみに校閲とは
[名](スル)文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること。「専門家の―を経る」「原稿を―する」
出典:デジタル大辞林
ということをする仕事です。意味を見るだけでも大変そうだと感じるお仕事ですね。
感想
読後感がスッキリしていて読んでよかったです。主人公の河野悦子の性格がサバサバしていて良かったのかもしれません。某ミッキーマウスの憂鬱のように、読んでいる最中にイライラすることがなく、「娯楽小説はこういうのだよな」と改めて実感しました。
全体的にコメディ色が強いので、いわゆるドタバタコメディというやつでしょう。女性が主人公ですが、特に男女関係でドロドロするわけでもなく、明るくテンポよく進むので飽きることはありませんでした。
この校閲というお仕事ですが、上にも書いてあるとおり、原稿の誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりします。この作業を本一冊分行うこともあるようですから、精神的にも肉体的にも疲労しそうなお仕事です。
これを行うことで私達の手元に文章の誤りなく本が届くのですから、感謝しなければいけませんね。だから誤字脱字を見つけたからといって、鬼の首を取ったように晒すのは止めましょう。
心に残った一文
ここで唐突ですが、この本を読んで良い文章だなと思ったものを紹介したいと思います。
これは、校閲の仕事をよく思っていなかった悦子が、自分なりの校閲という仕事の良さを見出したシーンでの一文です。
もし文章がヘタクソでも書かれていることが事実とは異なっていても、その内容が利益を生みさえすれば許されるとするならば、校閲なんて必要ないし、そもそも校閲という概念すら存在しなかっただろう。
これを読んで、私もブログではありますが、誰かに読まれるかもしれない場で文章を書きますので、正しくて美しい整った日本語を書いていきたいと思わせられました。
所詮ブログなんだから日本語が適当でも、とにかく書けばいいと考えていたりもしましたが、見てもらうからには読みやすくて疑問を抱かない文章のほうがいいですよね。今後も気をつけていきたいと思います。
今日はこんなところで終わり。