のほほん感想録

本の感想や学んだことを主に書いてます。ビジネス書から小説、漫画までいろいろ読んでます。最近はゲームや株主優待も取り上げてます。

4DXガルパンはいいぞ『ガールズ&パンツァー 劇場版』

先日、ユナイテッド・シネマ札幌で4DXガールズ&パンツァーを観てきました。
今回が初劇場版ガルパンです。なので、初めての劇場版ガルパン+初4DXの人向けに感想書きます。ネタバレなしです。

 

事前知識はあったほうが面白い

劇場版ガールズ&パンツァーは、テレビシリーズのガールズ&パンツァーの続編となっているため、できれば事前にテレビシリーズとOVAのアンツィオ戦は視聴したほうがより楽しめます。amazonプライムビデオでまだ視聴できるはずなので、会員の人はぜひ見てから視聴してください。

 

一応、冒頭3分でガールズ&パンツァーについての説明はあるのですが、それだけでは各キャラクターの特徴を完全に理解できないと思いますし、ガルパンの世界に浸りきれません。

また、今までの物語を見ておくことで、笑ったり泣いたりできるので、やっぱり見られるなら見たほうが良いです。

 

ガルパンに4DXは欠かせない

テレビシリーズ+アンツィオ戦を視聴後、劇場でガルパンを見ようと決意して、まず思うことはガルパンに4DXの特殊効果は必要なのかという疑問でしょう。

私も思いましたし、始まって数分はちょっと後悔しました。振動で気が散って集中できないのではないかと。

 

しかし、体感時間5分後の劇場版ガールズ&パンツァーの文字がスクリーン上に現れた時点で、画面に集中しながら特殊効果を楽しめる状態まで慣れます。そのうえ、後半は特殊効果が無くてはならないものと感じるようにまでなります。

例えば、上映前の4DX説明で顔が濡れてしまったときに水は止めようかと思うのですが、物語後半、水の特殊効果で顔が濡れたときは、濡れるべくして濡れたと感じるほど夢中になります。

 

個人的な感想として4DXは、映画鑑賞から映画体験にまで昇華させる要因になったと感じるので、ぜひガルパンは4DXでの鑑賞をおすすめします。

 

結論

ネタバレをできる限り避けたため、ストーリーに触れることはありませんでしたが、多くのガルパンおじさんが「ガルパンはいいぞ」と言っているため、言わなくてもストーリーの素晴らしさも伝わるかと思います。

 

そういう私も最後に4DXガルパンの総評で〆させていただきます。

ガルパンはいいぞ

 

ここから先は落書きです。

「ガルパンはいいぞ」という言葉の魅力

「ガルパンはいいぞ」という言葉自体に魅力を感じる。

他人に勧めたい作品があるときは、たいていどこが良かったのか語ったり、作品のアピールポイントを語ったりする。ガルパンで言ったら、ストーリーと戦車戦が主なアピールポイントになるはず。

 

しかし、ガルパンおじさんは語らない。「ガルパンはいいぞ」としか言わない。
多少、ネタ化してきているのは否めないが、それでも劇場版についての感想の大方は「ガルパンはいいぞ」が占めているのではないだろうか。なぜ、そこまでガルパンおじさんは多くを語らないのか。それとも、ガルパンおじさんは劇場版ガルパンによって言葉を劇場に置いてきてしまったのか。それほど衝撃のある作品なのだろうか。

というように劇場版ガルパンとは何なのだろうという、未視聴者の好奇心を煽る言葉として最も効果が高いフレーズが「ガルパンはいいぞ」だ。

 

そのうえ、「ガルパンはいいぞ」という言葉には、一人ひとりのガルパンおじさんが語ってきたガルパン愛が込められているので、どんなに言葉が足りなくとも送り手の想いが受け手にも伝えやすい。シェークスピアの一節を引用することで、物語に深みをもたせる手法のような感じで。

だから、うまく魅力を言語化できなくとも、「ガルパンはいいぞ」というワンフレーズさえ入れてしまえば、後は君の後ろにいるガルパンおじさんが支えてくれる。

これぞ戦車道。

流行っているのでココナッツオイルコーヒーを試してみた

少し前に、完全無欠コーヒーとやらが流行っていました。その出典は、『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』という本からのようで、これを摂取することで午前中まで朝食を取らなくともエネルギッシュな行動ができ、頭も冴えるらしいです。

一度試してみたくなるような魅力的な効果ですが、残念ながら材料である無塩バターもココナッツオイルも自宅にありません。特に無塩バターは完全無欠コーヒー一杯への消費が多いうえ、普通のバターは家にあるのでなんだか気が乗りません。

 

そこでココナッツオイルだけ購入してみることにしました。どんな味がするのか興味がありましたし。

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自信がないという思考の癖を止めよう『無意識はいつも正しい』

blog.asimino.com

しゅなさんの上記の記事を読みまして、自信について書かれたある本が思い浮かんだので、なんとなく書きはじめることにしました。言及なんてたいそうなことは書いてありません。

いつものように本の感想ですが、ついでに自信がない人に少しでも自信を持ってもらうために一つの考え方も紹介したいと思います。

 

無意識はいつも正しい

まずは本の紹介から。自信について書かれた本は、『無意識はいつも正しい』です。

本書は、私たちの行動の90%は無意識によって決められており、それによって悩みや不安が絶えず不幸だと感じる人生を送っているのなら、本書のメソッドを実践して少しずつ自分の考え方を変えましょうという内容です。メソッドは読書後すぐにできるものがほとんどで、道具も必要ありません。ただ自分と向き合う時間さえあればいいので、マインドセットを変えるきっかけにピッタリだと思います。

まあ、『無意識はいつも正しい』の説明はこれくらいにして、本題に入ります。気になる人は読んでみてください。

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ポジティブ思考が苦手なあなたに『ネガティブのすすめ』

世の中、前向きに生きようだのポジティブシンキングが大事だの言われてますよね。そんな世の中に嫌気がさしたネガティブ思考の私は一冊の本を取りました。その本とは『ネガティブのすすめ』です。タイトルからして後ろ向きで好感を持てます。

ネガティブのすすめ―プラス思考にうんざりしているあなたへ

ネガティブのすすめ―プラス思考にうんざりしているあなたへ

 

 

簡単な著者紹介

著者は自称「ポジティブ人間嫌いの精神科医」の最上悠さんです。なかなかクレイジーな肩書きです。早速ポジティブのネガティブキャンペーンから始まる本書から察するに、筆者も闇の深そうなネガティブ思考をお持ちのようです。

 

しかし、ポジティブのネガキャンも私怨から書かれているわけではなく、精神科医の視点から書かれています。
そのポジティブのネガティブキャンペーンの中身を簡単に書くと、あなたが考えているポジティブって本当にポジティブ? 歪んでない? という提唱です。

 

歪んだポジティブ

例えば、ポジティブ過ぎてネガティブな部分に目を向けられない人。そういう人は、良い所ばかり目を向けてしまうので、リスクヘッジができない人です。良く言えば勇気を持って挑戦する人でしょうが、悪く言えばギャンブラー、ネガティブ思考の私から言えば底抜けのバカです。

同じように、失敗からの立ち直り方も良いポジティブと歪んだポジティブがあります。良いポジティブは失敗してもクヨクヨせずに反省して次に活かし、歪んだポジティブはクヨクヨしないが反省もしないという感じです。

 

ただ、それでもネガティブよりもポジティブのほうがいいじゃんと思う人は少なくないでしょう。私も頭によぎりました。それほどまで「ポジティブ思考=正義」で「ネガティブ思考=悪」という方式が染み付いてしまったようです。

 

ネガティブ思考=悪だという考えの人に

そんな「ネガティブ思考=悪」の自動思考を取っ払う一冊として『ネガティブのすすめ』をおすすめします。きっとネガティブ思考は悪いことではないんだと思わせてくれるはずです。
また、あまりにも行き過ぎたネガティブ思考にもおすすめです。過度のネガティブ思考なら、本書の第3章は心を覗かれたような気持ちになるかと思います。下記の考え方に身に覚えはありませんか?

ネガティブすぎる人というのは、ネガティブという麻薬的思考に頼りすぎてしまうクセがついているのかもしれません。「それがいちばんのやり方だから」と、今のネガティブな考え方に絶対的な自信をもって邁進している。「ネガティブを肯定しすぎている」と言ってもいいでしょう。

ポジティブ思考は真っ先に否定するくせに、自分のネガティブ思考は全く否定しないなんて、よく考えてみたらおかしな話です。そういう人は、前述と対比して歪んだネガティブ思考と言えるのではないでしょうか。

 

最後に

ネガティブ思考もポジティブ思考も、行き過ぎは自他共に害を及ぼします。過ぎたるは及ばざるが如しといいますし、自動思考もほどほどにして、本当にそこまでネガティブ(ポジティブ)に考えていいのかと自問することが思考の変化の第一歩だと思います。

ネガティブのすすめ―プラス思考にうんざりしているあなたへ

ネガティブのすすめ―プラス思考にうんざりしているあなたへ

 

映画『チャッピー』から考える意識の哲学

映画『チャッピー』を観たら衝動的にブログを書きたくなったので、チャッピーの感想書きます。衝動的に書きたくなった理由は、ロボットの人権問題を取り扱った映画かと思いきや、意識の哲学的な問題にも触れていた映画だったからです。

 

あらすじはこちら。

2016年―犯罪多発地区、南アフリカ ヨハネスブルグに世界で唯一の“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を搭載したロボットが誕生。
彼の名はチャッピー。
起動したばかりのチャッピーは真っ新でまるで子供のようだが、彼の余命はたった5日間しかない。ギャングにさらわれたチャッピーは、ギャング式の生きる術を覚え加速度的に成長する。ただ「生きたい」と願うチャッピーの人知を超えた行動に、我々は衝撃の結末を目撃する。

あらすじ見ても、ロボットの人権問題だと思うじゃないですか。第9地区のロボットバージョンだと。でも違うんですよ、意識の哲学なんです。

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就活の履歴書を手書きで書かせることは理にかなっている

就活の時期になると、話題の一つに挙がるものが「履歴書を手書きで書かせるのが日本の悪しき習慣」というもの。

確かに、応募側は作成に1時間以上かかる手書きの履歴書を何枚も書かないといけないのだから、少しでも労力を減らしたい。そのためパソコンで印刷したものを提出したいという意見は分かる。私も就活時はそう思っていた。

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国の教育投資先は子どもではなく親にすべき『「学力」の経済学』

「学力」の経済学』という本を読んでいて、ふと思ったことがあります。
国の教育投資先は子どもではなく親にすべきではないかということです。

子供が通う学校に投資するよりも、まずは親が子供を育てるために必要な正しい知識を身につける機会を作るべきではないでしょうか。

その理由は以下の三つです。

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学者が提唱する子どものゲーム時間は1日1時間!止めさせても意味はない『「学力」の経済学』

Photo:Addiction By:Ben Andreas Harding
Photo:Addiction By Ben Andreas Harding

「学力」の経済学』を読みました。
本書は教育経済学者の中室牧子さんによって、データを用いて教育経済学が明らかにした教育や子育てに関する発見について書かれた本です。データに基づいた根拠のある研究結果ですので、教育ママのアドバイスや著書より役に立ちます。

具体的な内容は「子供を勉強させるのにご褒美は良いのか」、「子どもは褒めて育てるべきなのか」といったことです。私には子どももパートナーもいませんが、上記に関してどちらが良いのかを耳にしたことくらいはあります。
そんな一度は聞いたことのある定説を裏付けたり、間違いを指摘しているのが本書です。


今回は私の好きなゲームに関する説、「ゲームは子どもに悪い影響があるのか」について触れていきたいと思います。

 

ゲームがなぜ悪影響と言われるのか

そもそもどうして、ゲームは悪とされているのでしょうか。

 

長時間ゲームをしてしまう

その一つに、ゲームをやり始めると長時間やってしまうという理由が挙げられます。

かの高橋名人も「ゲームは一日1時間」と言っていましたが、この名人の言いつけを守っている小中学生が少ないのではないでしょうか。

一度始めたら、自分の集中力が切れるまでどんどんやり進めてしまう。止め時は、お母さんの「ご飯できたよー」という声。小中学生の時にゲームをしたことある人なら、そんな経験何度もあるのではないでしょうか。そのようなご飯で呼ばれなければゲームを止めない様子を親が見ているから、ゲーム=悪というイメージが付いているのかもしれません。

その上、据え置きのゲームならリビングに置いてある家庭も多いと思うので、遊んでいる様子が親の目に入りやすい。それによって、プレイ時間以上に子どもがゲームをしている印象を与えているのかもしれません。

 

実際のデータを見てみましょう。
厚生労働省の調査によると、小学校高学年のテレビの視聴時間は平日に2.2時間。ゲームの使用時間は平日に1.1時間だそうです。学校から帰ってきてから寝るまでの時間を8時間と考えると、短くはない時間ですね。

 

ゲームの悪影響を受ける

二つ目は、ゲームの悪影響を受けるという昔からある説です。バカバカしいのであまり触れたくありませんが、暴力的なゲームをやると暴力的になるみたいです。
ゲーム脳と同じ匂いがしますが、一応挙げておきます。

以上、主にこの二つの理由から、子どもにゲームをさせないほうがいいと言われがちです。では、教育経済学の研究の結論はどうだったのでしょうか。

 

ゲームそのものは悪影響を及ぼさない

ゲームそのものが子どもに悪影響を及ぼすことは少ないようです。むしろ、子どもにとって良い影響のほうが多いようですね。

17歳以上の子どもが対象になるようなロールプレイングなどの複雑なゲームは、子どものストレス発散につながり、創造性や忍耐力を培うのにむしろよい影響がある

上記の研究結果はアメリカのデータですが、日本のデータを利用した研究でも問題行動や学習時間への悪影響は少ないという結果に終わったようです。
ただし、ゲームと学習時間の間には負の因果関係があります。当たり前ですがゲームの使用時間が増えれば増えるほど、学習時間は減っていきます。

では、ゲームを止めさせると学習時間は増えるのでしょうか。

 

ゲームを止めさせても学習時間は増えない

子供のゲームを1時間止めさせると、最大2.7分学習時間が増加するそうです。約3分です。ゲームを止めたとしても他の娯楽に流れるようで、あまり意味はないそうです。

確かに、私が子どもならゲームがダメならテレビ、テレビがダメなら漫画と流れますね。今は小学生でもスマートフォンを持つ時代ですから、昔よりも娯楽が増加しているのではないでしょうか。もし仮にすべての娯楽を断たれたとしても、勉強をする選択肢は生まれにくいと思います。

ゲームを禁止したところで、自発的に勉強するとは限りません。全くさせないのも逆効果です。

 

ゲームは1日1時間

1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子供の発達に与える影響は、全くテレビを観ない・ゲームをしないのと変わらない

ゲームは1日1時間、これが結論です。高橋名人の名言通りでした。ゲームのやり過ぎは悪影響ですが、ゲームを趣味としている子どもからゲームを取り上げるのも悪影響です。適度が一番です。
といっても、一時間でゲームを止めさせられたら苦労しません。どうやったら、止めさせられるのか。おまけ程度ですがちょっと考えてみましょう。

 

ゲームの使用時間を減らす方法

ひとつは、ゲームを勉強のご褒美にしてしまうことです。
本書では勉強後のご褒美の上げ方として、インプット後とアウトプット後ではどちらが効果があるのかという研究も載っていました。効果があった方法は前者です。研究の詳細は本書を読んでください。

インプット後というのは、要は机に向かったらご褒美をあげるということです。
例えば、一日30分勉強したら、1時間ゲームしてもよいというような感じですね。

ご褒美といえば「テストでいい点数を取ったらあげる」ことが一般的ですが、上記の研究では効果がありませんでした。ゲームばかりして勉強はしたくない子どもには、とにかく机に向かう習慣のほうが大切ではないでしょうか。

二つ目は、ゲームを義務化させることです。少し前にゲームを止めさせる方法として、ゲームの進行を親がタスク化したところゲームを止めたという経験談をどこかで読みました。「勉強しなさい」ではなく「ゲームしなさい」ということで、その家庭は上手く行ったようですね。

個人的には二つ目が面白いと思いますが、どの教育が合うのかは家庭それぞれです。一番は子どもの性格に合った方法です。

 

最後に

ゲームはやり過ぎなければ悪影響はないという研究結果は、ゲーム好きの私にとって喜ばしいことです。
「ゲームは1日1時間」は語り継がれるべき言葉として、これからも残っていってほしいと思います。

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

 

本なんて読まなくたっていいのだけれど、読んでみるのもいい

 『本なんて読まなくたっていいのだけれど、』を読みました。著者は、ブックディレクターである幅允孝さんです。

ブックディレクターとは、日本語で言うと選書家。書店や病院、老人ホームの本棚など、その空間に合った本棚を作ったり相手に合った本を紹介したりと本を扱う仕事。

 

そのような仕事をしている幅允孝さんが、ブックディレクターという立場から本への思いを語ったエッセイ集です。

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