のほほん読書感想録

本の感想や学んだことを主に書いてます。ビジネス書から小説、漫画までいろいろ読んでます。

相手の心をつかむハリウッドスターの会話術

『仕事は演出力』を読みました。

この本の著者は、マックス桐島という日本人ハリウッド映画プロデューサーです。現在までに13作品をプロデュースし、俳優としても「ライジングサン」「刑事ニコ」など多数の出演作があります。


ハリウッド映画プロデューサーということもあり、多くのハリウッドスターと関わってきています。そのときのエピソードを交えながら、ハリウッドで成功した人から得た教訓を一冊の本にしたという感じです。

今回は、ハリウッドスターの行動から、話し上手になれるかもしれない会話術を紹介したいと思います。

 

Photo:Hollywood Sign By:TooMuchFire
Photo:Hollywood Sign By TooMuchFire

 

会話に参加している充実感を生み出す

まずは、トム・ハンクスの話術から紹介します。トム・ハンクスは、すぐに会話が終わってしまうような質問はせず、相手のコメントを引き出す質問を作る名人だったようです。こんな感じ。

トム・ハンクス流の話術では、What(何が?)、How(どのようにして?)、Why(何で?)、で始まるクエスチョンが多く、短い返答で応じられるWhen(いつ?)、Where(どこで?)で始まる質問が極端に少ない。

 短い返答で応じられるクローズド・クエスチョンよりも、長い返答が求められるオープン・クエスチョンのほうが話が広がりやすいですからね。

 

このオープン・クエスチョンを作り出すことがうまい方が、話術も上手いといえるのかもしれません。その理由は以下の通り。

「話がうまい」というと、聴衆を一方的に楽しませてくれるコメンテーターやピン芸人を思い浮かべるかもしれない。しかし、究極の話術とは、聞く人を魅了するだけではなく、一緒に会話に参加している気分にさせるものなのだ。

 自分が一方的に面白い話をするだけでも相手を楽しませることはできますが、オープン・クエスチョンを活用して、相手に気持ちよく話してもらったほうがお互いが楽しめる会話になります。

しかしテレビのせいか、話がうまい人といえば面白い話ができる芸人がまず浮かんでしまうので、どうしても話のうまい人=面白い話の出来る人というイメージがあります。

テレビに向かって発信する芸人と違って、私達は面と向かってコミュニケーションを取るわけですから、芸人の話し方を真似したからといって会話が上達するとは限りません。

また、会話のサンプルをテレビから得る人が多いせいか、芸人の会話術が至高だと思っている人がたまにいます。

ですが、究極の話術は一緒に会話に参加している気分にさせるものなので、面白い話をできるよりも相手に気持ちよく話させる質問を作り出せるようになりたいものです。

 

 

 「聞く」よりも「聴く」

人の心をつかむには、相手の会話を注意して耳に入れて聴く必要があります。

相手の話を自分が何を言おうか考えながら人の話を聞くのではなく、話し手の気持ちや立場を汲んでじっくり耳を傾けて聴くことが、相互理解や信頼感につながります。

 

この「聴き方」をマスターするには、ハリウッドの定番らしい自己研鑚セミナーへ参加した著者の経験が役に立つかと思います。

トレーニングでは、会話中は絶対に両手を身体の脇から離さないこと、相手の目から視線を離さないこと、自分の呼吸と姿勢に常に気を配ることがルールだ。(中略)
このトレーニングは、話の内容を聞き取る障害となる身振りや手振りをなくし、視線を逸らして意識が離脱してしまうことを防ぎ、そして、姿勢や呼吸を正すことで感情的になったりすることを防ぐことが目的なのだ。

 相手の目を見つめて、黙って親身になって話を聞くことで、自分のコメントを返すことが楽に感じられるそうです。ただ、日本人は目をじっと見続けることに慣れていない人も多いので、プレッシャーを与えない程度に目を合わせる方がいいでしょう。


トム・ハンクスの話術と似たような内容になってしまいましたが、自分から話をするよりも、相手に興味を持ってしっかり話を聞くことが話のうまい人になる秘訣なのでしょう。話し上手は聞き上手とも言いますからね。

 

 

自分を毛嫌いする人を話の舞台にのせてあげる

できるならば誰にも嫌われないでよく思われたいものですが、それは難しいことです。生きていれば、必ず誰かには嫌われてしまうでしょう。

ですが、自分のことを快く思っている人と、自分に不快感を抱いている人に対して同じ対応をする必要はありませんよね。

自分を不快に思っている相手には、「不快感を取り除く」ことを目的とした会話をすればいい。そう考えて行動したハリウッドスターが、ティム・ロビンスです。


彼はカンヌ国際映画祭で挑発するような気を見せてきた会話の相手に対して、挑発に乗ることなく聞き役に徹することでその場を収めました。その会話が終わった後に著者が聞いたティム・ロビンスの考えはこういったものだったようです。

人間はたいてい、自分のイヤな部分を人に見てしまった時や、自分が達成したいけれどもできないでいる部分を人が持っていることに気づいたときに、その人に対して「嫌い」という感情を抱いてしまう。
そんなときこそ、自分は舞台から降りて相手を舞台に上がらせ、相手の主張を聞いてあげることが何よりの方法だという。

 他人の嫌いという感情に対して、怒りなど自分も同じ感情に振り回されずに、冷静に一歩ひき聞き役に徹して相手を満足させるというのは、さすがハリウッドスターですね。

感情的にならないことがいかに大事かということも、ティム・ロビンスのエピソードからもよく伝わってきました。

 

 

まとめ

この3つのエピソードから会話上手になるための共通点は、聴き上手だということです。自分の話をするだけで相手を楽しませるのではなく、相手に話をしてもらって会話を楽しむことがハリウッドスターの会話術なのでしょう。

 

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