のほほん感想録

本の感想や学んだことを主に書いてます。ビジネス書から小説、漫画までいろいろ読んでます。最近はゲームや株主優待も取り上げてます。

就活の履歴書を手書きで書かせることは理にかなっている

就活の時期になると、話題の一つに挙がるものが「履歴書を手書きで書かせるのが日本の悪しき習慣」というもの。

確かに、応募側は作成に1時間以上かかる手書きの履歴書を何枚も書かないといけないのだから、少しでも労力を減らしたい。そのためパソコンで印刷したものを提出したいという意見は分かる。私も就活時はそう思っていた。

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国の教育投資先は子どもではなく親にすべき『「学力」の経済学』

「学力」の経済学』という本を読んでいて、ふと思ったことがあります。
国の教育投資先は子どもではなく親にすべきではないかということです。

子供が通う学校に投資するよりも、まずは親が子供を育てるために必要な正しい知識を身につける機会を作るべきではないでしょうか。

その理由は以下の三つです。

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学者が提唱する子どものゲーム時間は1日1時間!止めさせても意味はない『「学力」の経済学』

Photo:Addiction By:Ben Andreas Harding
Photo:Addiction By Ben Andreas Harding

「学力」の経済学』を読みました。
本書は教育経済学者の中室牧子さんによって、データを用いて教育経済学が明らかにした教育や子育てに関する発見について書かれた本です。データに基づいた根拠のある研究結果ですので、教育ママのアドバイスや著書より役に立ちます。

具体的な内容は「子供を勉強させるのにご褒美は良いのか」、「子どもは褒めて育てるべきなのか」といったことです。私には子どももパートナーもいませんが、上記に関してどちらが良いのかを耳にしたことくらいはあります。
そんな一度は聞いたことのある定説を裏付けたり、間違いを指摘しているのが本書です。


今回は私の好きなゲームに関する説、「ゲームは子どもに悪い影響があるのか」について触れていきたいと思います。

 

ゲームがなぜ悪影響と言われるのか

そもそもどうして、ゲームは悪とされているのでしょうか。

 

長時間ゲームをしてしまう

その一つに、ゲームをやり始めると長時間やってしまうという理由が挙げられます。

かの高橋名人も「ゲームは一日1時間」と言っていましたが、この名人の言いつけを守っている小中学生が少ないのではないでしょうか。

一度始めたら、自分の集中力が切れるまでどんどんやり進めてしまう。止め時は、お母さんの「ご飯できたよー」という声。小中学生の時にゲームをしたことある人なら、そんな経験何度もあるのではないでしょうか。そのようなご飯で呼ばれなければゲームを止めない様子を親が見ているから、ゲーム=悪というイメージが付いているのかもしれません。

その上、据え置きのゲームならリビングに置いてある家庭も多いと思うので、遊んでいる様子が親の目に入りやすい。それによって、プレイ時間以上に子どもがゲームをしている印象を与えているのかもしれません。

 

実際のデータを見てみましょう。
厚生労働省の調査によると、小学校高学年のテレビの視聴時間は平日に2.2時間。ゲームの使用時間は平日に1.1時間だそうです。学校から帰ってきてから寝るまでの時間を8時間と考えると、短くはない時間ですね。

 

ゲームの悪影響を受ける

二つ目は、ゲームの悪影響を受けるという昔からある説です。バカバカしいのであまり触れたくありませんが、暴力的なゲームをやると暴力的になるみたいです。
ゲーム脳と同じ匂いがしますが、一応挙げておきます。

以上、主にこの二つの理由から、子どもにゲームをさせないほうがいいと言われがちです。では、教育経済学の研究の結論はどうだったのでしょうか。

 

ゲームそのものは悪影響を及ぼさない

ゲームそのものが子どもに悪影響を及ぼすことは少ないようです。むしろ、子どもにとって良い影響のほうが多いようですね。

17歳以上の子どもが対象になるようなロールプレイングなどの複雑なゲームは、子どものストレス発散につながり、創造性や忍耐力を培うのにむしろよい影響がある

上記の研究結果はアメリカのデータですが、日本のデータを利用した研究でも問題行動や学習時間への悪影響は少ないという結果に終わったようです。
ただし、ゲームと学習時間の間には負の因果関係があります。当たり前ですがゲームの使用時間が増えれば増えるほど、学習時間は減っていきます。

では、ゲームを止めさせると学習時間は増えるのでしょうか。

 

ゲームを止めさせても学習時間は増えない

子供のゲームを1時間止めさせると、最大2.7分学習時間が増加するそうです。約3分です。ゲームを止めたとしても他の娯楽に流れるようで、あまり意味はないそうです。

確かに、私が子どもならゲームがダメならテレビ、テレビがダメなら漫画と流れますね。今は小学生でもスマートフォンを持つ時代ですから、昔よりも娯楽が増加しているのではないでしょうか。もし仮にすべての娯楽を断たれたとしても、勉強をする選択肢は生まれにくいと思います。

ゲームを禁止したところで、自発的に勉強するとは限りません。全くさせないのも逆効果です。

 

ゲームは1日1時間

1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子供の発達に与える影響は、全くテレビを観ない・ゲームをしないのと変わらない

ゲームは1日1時間、これが結論です。高橋名人の名言通りでした。ゲームのやり過ぎは悪影響ですが、ゲームを趣味としている子どもからゲームを取り上げるのも悪影響です。適度が一番です。
といっても、一時間でゲームを止めさせられたら苦労しません。どうやったら、止めさせられるのか。おまけ程度ですがちょっと考えてみましょう。

 

ゲームの使用時間を減らす方法

ひとつは、ゲームを勉強のご褒美にしてしまうことです。
本書では勉強後のご褒美の上げ方として、インプット後とアウトプット後ではどちらが効果があるのかという研究も載っていました。効果があった方法は前者です。研究の詳細は本書を読んでください。

インプット後というのは、要は机に向かったらご褒美をあげるということです。
例えば、一日30分勉強したら、1時間ゲームしてもよいというような感じですね。

ご褒美といえば「テストでいい点数を取ったらあげる」ことが一般的ですが、上記の研究では効果がありませんでした。ゲームばかりして勉強はしたくない子どもには、とにかく机に向かう習慣のほうが大切ではないでしょうか。

二つ目は、ゲームを義務化させることです。少し前にゲームを止めさせる方法として、ゲームの進行を親がタスク化したところゲームを止めたという経験談をどこかで読みました。「勉強しなさい」ではなく「ゲームしなさい」ということで、その家庭は上手く行ったようですね。

個人的には二つ目が面白いと思いますが、どの教育が合うのかは家庭それぞれです。一番は子どもの性格に合った方法です。

 

最後に

ゲームはやり過ぎなければ悪影響はないという研究結果は、ゲーム好きの私にとって喜ばしいことです。
「ゲームは1日1時間」は語り継がれるべき言葉として、これからも残っていってほしいと思います。

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

 

本なんて読まなくたっていいのだけれど、読んでみるのもいい

 『本なんて読まなくたっていいのだけれど、』を読みました。著者は、ブックディレクターである幅允孝さんです。

ブックディレクターとは、日本語で言うと選書家。書店や病院、老人ホームの本棚など、その空間に合った本棚を作ったり相手に合った本を紹介したりと本を扱う仕事。

 

そのような仕事をしている幅允孝さんが、ブックディレクターという立場から本への思いを語ったエッセイ集です。

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DeNAの元社長から学ぶ人脈と経営について/不格好経営

南場智子著『不格好経営―チームDeNAの挑戦』を読んだ。

『不格好経営』は、DeNAの創業者で元社長である南場智子氏のノンフィクション。創業時の失敗や資金集めの苦労、成長過程での七転八倒など、DeNAの裏側が赤裸々に書かれている。

 

人によっては、社長の心構えを知るためにビジネス書として読もうと考えている人、またビジネス書としか意識せずに読んだ人がいるかもしれないが、それはもったいない。

会社を創立してから日本有数のIT企業になるまでのドキュメントが非常に面白いのだから。

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詭弁に負けないように使いこなしたい3つの詭弁

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この世の中には詭弁があふれています。その詭弁を使いこなす悪い人もいます。

そんな世の中に嫌気を差した私は、詭弁には詭弁を駆使して生きていくことに決めました。もう、詭弁に振り回されたくありません。

目には目を歯には歯を、詭弁には詭弁を。

 

ということで、香西秀信『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』を読みました。

本書は、論理的思考の弱点を指摘し、議論の場では詭弁のほうが役に立つことを主張した本です。

 

今回は『論より詭弁』から、汎用性の高く日常でも出現頻度の高い詭弁を、例文付きで見ていきたいと思います。

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作品の感想が月並みなことしか書けない私の理由

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人に作品や商品を紹介するとき、または紹介されたものを評価する際に必要になるものが感想です。この感想を人に上手く伝えることができれば、作品の良さや、あわよくば作品を紹介してくれた人を立てることができます。

 

しかし、私は作品を評価するとき、基本的に面白かったかそうでないかという感想が一番に浮かんでしまい、そこからの発展が苦手です。しかも、どこが面白かったかを言うにも時間がかかってしまいます。

要は感想を言うのが下手なのです。その苦手を克服するためにブログを書いているのですが、なかなか進歩しません。

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ダイエットの鍵は速トレよりも糖質制限『速トレ「速い筋トレ」なら最速でやせる!』

速トレ 「速い筋トレ」なら最速でやせる! (Ikeda sports library)

速トレ 「速い筋トレ」なら最速でやせる! (Ikeda sports library)

 

そろそろダイエットをしなければ、私の腹の肉が収まらなくなる。

そんな思いと運動不足解消という思いから『速トレ「速い筋トレ」なら最速でやせる!』を読んだ。

 

『速トレ』の主張と効果

『速トレ「速い筋トレ」なら最速でやせる!』の主張は、こんな感じ。

速い筋トレは、速筋に負荷を与えやすいため、加圧トレーニングやスロートレーニングと同じように大きな効果が出る。しかも、素早く負荷をかけられるため時間もかからない。1日5分で済む。時間がないビジネスマンにおすすめ!

 

体験者の結果は以下の通り。

◆ほぼ毎日接待の40代男性が…
[体重]-12.5kg [ウエスト]-9.3cm
◆ダイエットに失敗し続けた50代男性が…
[体重] −8.6kg[ウエスト] −7.5cm
◆運動経験なし、ご飯大好きの30代男性が…
[体重] −11.5kg[ウエスト] −13.5cm

とあるため、速トレの効果は大きいようにも見える。

 

実際、この速い筋トレを真似してスクワットをやったところ、次の日には筋肉痛になった。セット数は30×3。ただ回数をこなしたから筋肉痛になったのかもしれないが。

速く筋トレを行う効果はいまいち見えてこないが、5分で済むので筋トレに時間をかけてられないという人も隙間時間に行えるプログラムは魅力的だと思う。

 

痩せる本当の理由は最後の章に

さて、この本通りのプログラムをこなすと、筋肉痛になることは身を持って実感した。けれども数か月筋トレをするだけで、ここまで痩せる理由にはつながらないはずだ。

何か秘密があるに違いない。そう思って読み進めると、答えは最後の章にあった。

 

糖質制限・カロリー制限の章

最後に表れたのは「糖質制限・カロリー制限」の章。一日1300kCalに抑えると書いてある。

確か成人男性の必要摂取カロリーは、2000kCal(個人差あり)。働き盛りで飲み盛りのオジサマが700kcalも抑え炭水化物も抑えたら、そりゃ痩せますわ。

 

結局、糖質制限が大事なのねというところで本書を閉じた。

 

結局、筋トレよりもカロリー制限が大事

この本の売りとして、Amazonの商品紹介や出版社の紹介などには「速トレ」を挙げており、ページ数は3/4も筋トレの説明に費やしている。しかし、残り1/4は糖質制限のことであり、あくまで私の予想だが上記の3人がここまで痩せた理由も糖質制限ではないだろうか。

 

あまり声を大にしては言えない個人的な主張だが、速トレだけでは痩せないのだろう。

そういえば大学の一般科目で、基礎代謝を増やして痩せるのは現実的ではないと言っていた。それよりも有酸素運動でカロリー消費したほうがいいと。
あと、日常生活の運動量を増やせと。詳しく知りたい人はNEATで検索。

 

最後に

というわけで痩せるには、適度な運動と無理のないカロリー制限が一番だということを念頭に置き、お腹の贅肉と向き合っていきたいと思います。

『速トレ「速い筋トレ」なら最速でやせる!』はダイエット本としてはがっかりでしたが、筋トレ本としては参考になる本でした。

 

個人的に参考になったダイエット本は『最後のダイエット』です。

最後のダイエット

最後のダイエット

 

 

【ダイエット関連記事】

kansou135.hatenablog.com

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『燐寸少女』妄想を具現化するマッチ売りの少女

燐寸少女<燐寸少女> (角川コミックス・エース)

鈴木小波『燐寸少女』を読みました。

『燐寸少女』は表紙を見て面白そうだったので、その場で買ってしまいました。いわゆるジャケ買いです。ブログにも表紙を大きく載せてみました。

タイトルからはどんな話かさっぱり分かりませんが、表紙が独特の雰囲気を醸し出しているのがわかっていただけるかと思います。

 

あらすじ

ーー火が付いている間に思った妄想が具現化する「妄想燐寸」は要りませんか? ただし、妄想用であって願望用ではありませんーー。謎の少女リンが誘う少し不思議な日常。ココロざわつく寓話集を貴方へ。

 表紙のジト目少女がリン。ストーリーテラーみたいな役です。

似ている漫画は、『アウターゾーン』だとか『Y氏の隣人』でしょうか。最近の漫画では浮かびませんでした。

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